安積疏水が育てた盆地の商都、郡山の暮らし
市街地の中心は、安積原野や郡山盆地と呼ばれる海抜245mの平らな土地です。北は安達太良山に接し、街の真ん中を阿武隈川が南から北へ流れています。江戸時代には奥州街道の郡山宿が置かれ、明治に入ると、国営の開拓事業として、猪苗代湖の水を農業用水に引き入れる安積疏水が開削されました。安積開拓とともに街は大きく育ち、安積疏水などをテーマにした物語は2016年に日本遺産に認定されています。
郡山市の発足は1924年です。1965年には安積町、富久山町、日和田町、熱海町、湖南村、田村町などと合併し、現在の広い市域ができあがりました。1997年には中核市へ移行しています。県域のテレビ局2局とFM局1局が置かれているのも、商業の街として育ってきた郡山の一面です。いまも市内は旧郡山、安積、富久山、日和田、喜久田、片平、三穂田、逢瀬、湖南、熱海、田村、西田、中田といった地区に分かれていて、自己紹介で地区名が出てきたら、それがかつての町や村の名前だと知っているだけでも話が広がります。
駅の周りの旧郡山で暮らす人もいれば、東北本線の日和田駅の近くや、磐越西線の喜久田駅の近くから通う人もいます。熱海の地区は磐梯熱海温泉のある温泉地で、湖南の地区は猪苗代湖の南岸です。郡山市内に住むと聞いても、それが駅から歩ける範囲なのか、山や湖に近い地区なのかで、会いに来てもらうときの負担はかなり変わります。
私鉄のない街で五つの路線が交わる郡山駅
市内に私鉄はなく、鉄道はすべてJR東日本が担っています。郡山駅で東北新幹線と東北本線から分かれていくのが、磐越東線、磐越西線、水郡線の三路線です。1887年に開業した駅には西口と東口があります。
郡山駅のほかにも、市内には小さな駅が点在しています。東北本線には安積永盛駅と日和田駅、磐越西線には郡山富田駅、喜久田駅、安子ケ島駅、磐梯熱海駅、中山宿駅、磐越東線には舞木駅、水郡線には谷田川駅と磐城守山駅があります。互いの最寄りがこうした駅で、しかも別々の線だった場合は、すべての路線が集まる郡山駅を基準に待ち合わせを考えると話がまとまります。
楽都と呼ばれる街の音楽と学び
2008年には市議会が「音楽都市宣言」を議決しており、郡山は「楽都郡山」とも呼ばれています。例年1月には音楽都市こおりやまふれあいコンサート、3月には音楽都市こおりやま全国合唱祭が開かれ、合唱や演奏に親しんできた相手なら、それだけで話題には困りません。年明けから春先の誘い先に迷ったら、この二つの演奏会が手がかりになります。
市内には日本大学工学部、奥羽大学、郡山女子大学と同短期大学部、放送大学福島学習センターがあります。ラーメン店が多い街でもあり、例年5月にはふくしまラーメンショーが開かれます。どの一杯が好きかという話は気取らずにできるので、食べ物の好みを聞くところから距離を縮めていくのも郡山らしいやり方です。
初めて会う日は駅の西口か開成山公園で
郡山で出会いを探す人どうしが初めて顔を合わせる日、集合場所として分かりやすいのは郡山駅の西口です。駅の周辺には駅ビルや百貨店もあるので、雨や雪の日でも屋内で過ごせます。西口の再開発ビルである郡山ビッグアイは高さ132.6mあり、駅前で落ち合う場所を伝えるときの目印にもなります。人の多い駅前が落ち着かないなら、市役所前の開成山公園を待ち合わせ場所にしても構いません。
| 場所 | 位置の目安 | 初対面での使い方 |
|---|---|---|
| 郡山ビッグアイ | 郡山駅西口の再開発ビル(地上24階、2001年開業) | 22階の展望ゾーンで街を見渡し、館内のふれあい科学館やプラネタリウムを話の種にする |
| 開成山公園 | 郡山市役所前、開成一丁目の総合公園(約30.3ha) | 安積開拓のときに灌漑用として作られた五十鈴湖のまわりを歩き、西側のバラ園へ向かう |
散歩のあとに腰を落ち着ける場所は、事前に二、三か所探しておくと当日あわてずに済みます。郡山市はクリームボックスなどの菓子類を名物として紹介していて、カフェやスイーツ店の新規開業も盛んです。甘いものが好きな相手なら、ご当地の菓子を一緒に選ぶ時間がそのまま会話になります。
開成山公園のほかにも、荒池公園、麓山公園、21世紀記念公園麓山の杜、五百淵公園、安積山公園、平成記念郡山こどものもり公園と、市内には名前の知られた公園がいくつもあります。浄土松公園では例年10月に浄土松公園まつりが開かれるので、秋に会う日の行き先として覚えておけます。初めての日は行き先を一つの公園に絞り、残りの公園は次に誘う口実として取っておけます。
市が管理運営する遊園地、郡山カルチャーパークも候補に入ります。市営のため乗り物の料金は低めに抑えられていて、昼の短い時間でも気軽に遊べます。初対面で遊園地は少し照れくさいと感じるなら、二度目以降に取っておいても構いません。出かける前には、その日に営業しているかを確かめておきましょう。
季節によっては少し工夫が要ります。年平均気温12.4℃の郡山は温暖湿潤気候に属していても、平年値で冬日が年に90日を超え、年によっては氷点下10℃を下回る日もあります。冬に会う日は、待ち合わせの場所を駅周辺の建物の中に決めておけば、相手が凍えながら待つこともありません。夏は夏で、最高気温30℃以上の真夏日が平年値で年に33.5日あります。7月や8月の昼に会うなら、公園を歩く時間は朝か夕方に寄せるほうが楽です。
夜桜とうねめ踊り、郡山で二度目に会う季節
春の開成山公園には、1878年頃に植えられたソメイヨシノをはじめ約1300本の桜があり、これらの桜は日本遺産を構成する文化財の一つに数えられています。例年4月には開成山大神宮の桜まつりが開かれ、夜桜のライトアップも行われます。昼に公園で会った相手と、次は夜の桜を見に行く約束をすれば、二度目の誘いに無理がありません。少し趣を変えたいときは、三春滝桜の娘と言われる樹齢約400年のしだれ桜、紅枝垂地蔵ザクラ(市の天然記念物)を訪ねる日を作るのもいいでしょう。同じ4月には郡山シティーマラソンも例年開かれるので、走ることが好きな相手なら、桜と合わせて話題にできます。
並木の下を長く歩きたい二人には、笹原川千本桜もあります。笹原川の明神橋を中心に上下約2kmにわたって、約1000本の桜が続く並木です。
7月に入ると、例年サマーフェスタ IN KORIYAMA(ビール祭)が開かれます。仕事のあとの夕方に、軽く顔を合わせる理由にしやすい催しです。
夏の大きな行事は郡山うねめまつりです。奈良時代の采女の物語を主題にした祭りで、竹飾り提灯で彩られた駅前大通り一帯でうねめ踊り流しが行われ、初日には山ノ井農村公園(うねめ公園)の采女神社で供養祭が営まれます。開催は例年8月の第1木曜日から土曜日までの3日間と曜日で決まっているため、その年の8月の暦で日付を確かめてから予定を合わせると確実です。
8月はほかにも、あさか野夏まつり郡山花火大会とふくやま夢花火が例年開かれる月です。うねめまつりと花火のどちらに出かけるか、あるいは両方に行くかを二人で相談しているうちに、夏の予定が自然と埋まっていきます。9月に入ると、みちのく阿波おどり in 郡山とうつくしまYOSAKOIまつりが続き、踊りを眺めながら街を歩く日が作れます。
寒さが深まる時期にも、外で会う約束の種は残っています。例年2月のウィンターフェスタ(新酒まつり)は、冬のさなかに二人で街へ出かけるきっかけになります。
三度目、四度目と回数を重ねたら、市の西側や東側へ足を延ばす日も作れます。熱海町の磐梯熱海温泉は「郡山の奥座敷」とも称される温泉地で、磐越西線の磐梯熱海駅が最寄りです。例年8月に萩姫まつり、12月につるりんこ祭が開かれます。相手が磐越西線の沿線に住んでいるなら、途中の駅で合流して一緒に西へ向かう組み立てもできます。
秋なら、高さ48mの銚子ケ滝が紅葉の時期を迎えます。動物と触れ合ったり乗馬をしたりできる約103haの郡山石筵ふれあい牧場や、三春駒や三春張子人形の発祥の地とされ、工房が並ぶ高柴デコ屋敷(例年5月にデコ祭り)も、季節を変えて訪ねられる行き先です。
会う回数が増えて気心が知れてきたら、夕食に誘ってみるのもいい頃合いです。初めて会う日は明るい時間のお茶や昼食にとどめ、駅周辺で夕食をともにするのは二度目以降にすると、相手も構えずに楽しめます。
郡山で相手を探してみたくなったら、メールアドレスの入力から始められます。
郡山駅から北、南、東へ向かう周辺の市町村
西の会津若松市へは磐越西線や磐越自動車道、国道49号が通じています。北、南、東の市町村に住む相手なら、郡山駅で待ち合わせるだけでなく、線路の途中にある駅で顔を合わせる日があってもいいでしょう。
東北本線で北へ、本宮・大玉・二本松
郡山駅から東北本線で北へ向かうと、日和田駅の次が五百川駅、その先が本宮市の中心となる本宮駅です。本宮はかつて会津街道の起点で、三春街道や相馬街道も通る宿場町として知られました。本宮市に住む相手とは、日和田駅か五百川駅のあたりで落ち合えば、互いに少しずつ歩み寄る形になります。
安達太良山の裾野に広がる扇状地の村、大玉村は二本松市と郡山市のあいだにあります。村内に駅はなく、最寄りは東北本線の本宮駅か杉田駅です。大玉村に住む相手と会うなら、本宮駅の周辺がまず思い浮かびます。
『智恵子抄』に詠われた安達太良山と阿武隈川で知られる城下町が、さらに北の二本松市です。例年10月の第1土曜日から月曜日にかけては二本松提灯祭りが開かれます。二本松で出会いを望む人とは、両市のあいだにある本宮駅の周辺で落ち合えます。
東北本線で南へ、須賀川・鏡石・天栄
南へ下ると、安積永盛駅の先に須賀川市の中心駅である須賀川駅があります。須賀川牡丹園は国指定名勝の牡丹園で、例年11月の第2土曜日には松明あかしが行われます。須賀川で出会いを求める場合も、初めて会う場所を安積永盛駅の周辺か、どちらかの駅前に決めれば、東北本線だけで行き来できます。
鏡石町は須賀川市のさらに南に位置し、郡山市とは境を接していません。町内の岩瀬牧場は唱歌「牧場の朝」のモデルとされ、2012年からは田んぼアートも行われています。最寄りは東北本線の鏡石駅なので、会う場所は郡山との間にある須賀川駅の周辺が目安になります。
西南の山側に広がる天栄村には、羽鳥湖と羽鳥湖高原、二岐山があります。村内に鉄道の駅はなく、最寄りは鏡石駅で、須賀川駅前から村内へ向かうバス路線も通っています。天栄村の相手とは、そのバスが出ている須賀川駅のあたりで会うのが現実的です。
磐越東線で東へ、三春・田村
東へ延びる磐越東線は、1914年に郡山と三春のあいだで開業した路線です。郡山駅を出て舞木駅を過ぎると三春駅に着きます。阿武隈山系の裾野の丘陵に広がる城下町、三春町には国の天然記念物の三春滝桜があり、例年4月中旬から下旬に花の時期を迎えます。三春に住む相手となら、舞木駅か三春駅のあたりを会う場所の候補にできます。
その先、中通りの東の端で浜通りとの結節点にあたるのが田村市です。市内には鍾乳洞のあぶくま洞があります。中心となる船引駅は三春駅と要田駅の先にあり、田村で出会いを考えるなら、三春駅の近くを会う場所にすると、船引駅と郡山駅のどちらからも同じ磐越東線で向かえます。