安濃川と岩田川にはさまれた城下町、橋内と橋北
津の市街地は、藤堂高虎が整えた城下町から始まりました。北の安濃川(塔世川)と南の岩田川を外堀に見立て、その間に津城を置いた町割りで、今も街の核は丸之内を含む「橋内」と呼ばれる一帯です。ところが三重県庁と津駅があるのは、かつて町外れだった川の北側、「橋北」のほうです。
橋内の骨格は二本の広い道路がつくっています。伊勢街道にあたる国道23号は戦後に幅員50m、片側4車線へ広げられ、これと直角に交わるフェニックス通りも幅員36m、片側2車線あります。フェニックス通りでは「高虎楽座」という催しも開かれます。車で動く人同士なら、この二本の道路が場所を伝え合うときの共通の目印です。
津駅にはJR紀勢本線、近鉄名古屋線、伊勢鉄道伊勢線の3路線が集まります。西口側には三重県庁や三重県護国神社があり、東口側は中心街の方向です。駅の周りの羽所町、栄町、広明町は、駅と県庁を控えた業務街として形を整えつつあるとされます。一方で、津市本庁舎や丸之内に近いのは、近鉄名古屋線で一つ南にある津新町駅です。津市で出会いを探していて相手が社会人なら、職場が市役所の近くか県庁の近くかで、会う駅を津新町と津駅から選べます。
近鉄名古屋線の駅と、学生の通う江戸橋
市内に駅が多いのは近鉄名古屋線で、北から千里、豊津上野、白塚、高田本山、江戸橋、津、津新町、南が丘、久居、桃園と並びます。JR紀勢本線の駅は一身田、津、阿漕、高茶屋で、伊勢鉄道は伊勢上野、河芸、東一身田を経て津に入ります。
江戸橋駅の名前は、志登茂川に架かる江戸橋から来ています。駅の近くには、伊勢街道と伊勢別街道が分かれる地点に立つ常夜燈が残り、三重大学医学部附属病院もあるので、学生だけでなく病院で働く人も行き来する駅です。駅から徒歩約15分、伊勢湾に面した上浜キャンパスには、国立の三重大学の人文、教育、医、工、生物資源の全学部がまとまっています。市内にはほかに三重県立看護大学、津市立三重短期大学、高田短期大学、放送大学三重学習センターもあり、学生の相手と平日に会うなら、授業を終えてから寄れる江戸橋や津駅の周辺が無理のない範囲です。
合併で広がった南西部、久居から美杉へ
旧津市は1889年4月1日に市制を施行した31市の一つで、2006年1月1日に10市町村の合併で今の形になり、約102平方kmだった面積は約711平方kmに広がりました。「つ」という一文字の読みがなを持つ自治体は、日本でここだけとされます。南へ延びる近鉄名古屋線には久居駅があり、駅の近くには陸上自衛隊久居駐屯地があります。
さらに西へ進んだ美杉地域は山間部です。雲出川の渓流沿いを走るローカル線、JR名松線が市内の一志駅から終点の伊勢奥津駅までを通っています。同じ市内でも、美杉に住む相手と橋内の近くに住む相手とでは、会うまでの段取りがまるで違います。
津城跡の公園と伊勢湾の岸辺、顔合わせの日の行き先
| 行き先 | 位置の目安 | 似合う季節 |
|---|---|---|
| お城公園(津城跡) | 津駅から約2km | 通年の昼 |
| 偕楽公園 | 津駅の西口側 | 春(桜、ミツバツツジ) |
| 専修寺と一身田の寺内町 | JR一身田駅の東側 | 通年の昼 |
| 結城神社 | 津市藤方 | 例年2月から3月(しだれ梅) |
| 御殿場海岸、阿漕浦海浜公園 | 伊勢湾沿い | 夏 |
マッチングアプリ経由の会話が続き、顔を合わせる日取りを決める段になったら、最初は昼間に1時間ほど歩ける場所を選ぶと、互いの様子をつかみながら過ごせます。津には城跡、大名の庭園、寺町、海辺と、性格の違う場所が中心部の近くにそろっています。どこも昼の明るい時間に向いた場所で、日が暮れてからの食事は、帰りの電車に乗りやすい津駅か津新町駅の近くに場所を移します。
津駅で待ち合わせるときは、西口と東口のどちらに出るかを先に決めておきます。偕楽公園へ向かう日は西口、中心街の側へ歩く日は東口が、改札を出てすぐ行き先へ向かえる出口です。
津は温暖湿潤気候の街で、年間の平均気温は16.3℃、降水量は平年で1612.9mmです。真冬日は平年で0日、年間の降雪量も6cmほどなので、冬の間も表に挙げた屋外の場所はそのまま候補に残せます。反対に、最高気温が30℃以上の真夏日は平年で52.9日あります。
城跡と大名の庭園
津城跡は三重県指定史跡で、「お城公園」と「お城西公園」として整えられています。本丸跡には日本庭園と、1958年に造られた模擬の三重櫓があります。この櫓は観光用に建てられたもので、史実の姿をそのまま再現したものではないとされます。城跡の中には高山神社もあり、庭園と櫓、神社を一つの公園の中で見て回れます。
偕楽公園の始まりは、津藩11代藩主の藤堂高猷が1859年に造った別荘「御山荘」です。起伏のある園内には池や橋を配した回遊路がめぐり、古くからミツバツツジの名所として親しまれてきました。園内にはD51形蒸気機関車499号機も保存されています。坂と池のある道は景色が少しずつ変わるので、ゆっくり一周するだけでも散歩らしい時間になります。
一身田の寺内町を歩く
専修寺は真宗高田派の本山で、御影堂と如来堂が2017年に国宝に指定されました。三重県の建造物として初めての国宝です。寺の周りには町並みの保存が進む寺内町が広がり、本堂を見たあとに町並みを歩くと、自然と次の行き先を相談する流れになります。近鉄の高田本山駅は名前に寺の呼び名を冠していますが、専修寺へはJR紀勢本線の一身田駅のほうが近いので、待ち合わせは一身田駅にしておくと確実です。
中心部では、津観音(恵日山観音寺)が日本三大観音の一つに数えられています。昼間に短く参拝するだけでも、初回の予定として十分な長さになります。
伊勢湾の海辺で過ごす
伊勢湾側には、伊勢の海県立自然公園の御殿場海岸と、海水浴場のある阿漕浦海浜公園が並び、津ヨットハーバーもあります。阿漕浦海浜公園には伊勢湾海洋スポーツセンターがあり、御殿場海岸ではビーチバレー大会も開かれます。真夏日の多い街なので、夏に海辺で会うなら午前中か日が傾いてからにするのが向いています。
南部の相手とは久居駅の東口で
市の南部に住む相手とは、中心部まで出てきてもらわずに近鉄名古屋線の久居駅で会う方法もあります。東口を出てすぐに緑の風公園があるので、駅で落ち合ってそのまま公園へ移れます。待つ場所に迷ったら、東口に立つ忠犬ハチ公と飼い主の上野英三郎が寄り添う銅像の前を指定すると分かりやすい目印になります。上野は旧一志郡の出身です。
境を接する城下町と、南へ離れた三つの町
津市で出会いを探す範囲は、市境の外の町まで含めて考えることもできます。以下に挙げる四つの市町のうち、津市と境を接しているのは亀山市です。残る三つの町と津市の間には松阪市があり、行き来には松阪駅が中継点になります。
紀勢本線の下庄駅から一身田駅へ
JR紀勢本線は亀山駅を起点に、下庄駅を経て津市の一身田駅、津駅へと続きます。江戸時代、この一帯は伊勢亀山藩の城下町で、城跡には三重県の史跡の多門櫓が残っています。亀山市で出会いを求めている人との約束なら、乗り換えなしで着ける一身田駅か津駅で待つのが素直な形です。一身田駅で会えば、そのまま寺内町へ歩いていけます。車同士なら、伊勢自動車道が市境を越えて芸濃IC、安濃SA、津ICへと延びています。
近鉄山田線と紀勢本線、参宮線の沿線にある町
近鉄山田線が通る明和町では、斎宮駅が町の中心の駅です。町内には国の史跡の斎宮跡があり、2015年には「祈る皇女斎王のみやこ 斎宮」が日本遺産に認定されました。中継点となる駅には近鉄山田線とJR紀勢本線、名松線が集まっていて、津からも近鉄かJR紀勢本線で向かえるので、明和町で出会いを探す相手ともこの駅で会えます。
多気駅は、JR紀勢本線と参宮線が分かれる駅です。1893年に相可駅として開業し、のちに今の名前になりました。快速「みえ」は津駅にも多気駅にも停まるので、多気町に住む相手とは乗り換えなしで行き来でき、途中の松阪駅で落ち合えば、移動の長さを分け合えます。
参宮線の田丸駅がある玉城町は、かつて伊勢神宮へ向かう参宮客の宿場町としてにぎわった町で、北畠親房と顕信が築いたとされる田丸城跡があります。田丸駅に停まる快速「みえ」は一部の便だけなので、乗り継ぎになる日は、参宮線から紀勢本線へ移る多気駅が、相手にとって途中で降りやすい待ち合わせ先です。
しだれ梅と花火と唐人踊り、二人で追う津の祭り暦
一年の始まりには、一身田の専修寺で例年1月9日から16日にお七夜が営まれます。冬の寺内町へ出かけるなら、この期間に合わせる方法もあります。
結城神社は南朝方の武将、結城宗広を祀る神社で、梅園は例年2月から3月にしだれ梅まつりの会場になり、この期間は有料で公開されます。同じ森の北側が結城神社、南側が津八幡宮で、梅を見に訪ねた森は、秋の津まつりを支える神社の森でもあります。春が進めば偕楽公園の一帯が桜で埋まり、関係が深まったころなら、美杉の三多気の桜(日本さくら名所100選)まで足を延ばす日帰りも考えられます。美杉には続日本100名城の北畠氏館跡があり、美杉町上多気には北畠神社が建っています。
夏は花火の季節です。津花火大会は1950年に始まった花火大会で、例年7月下旬ごろに阿漕浦海岸で開かれます。久居花火大会は例年8月第1週の土曜日に、陸上自衛隊久居駐屯地のグラウンドで打ち上げられます。誘う前に、その年の打ち上げ日を観光案内で確かめておきます。
秋の中心は津まつりです。津八幡宮の祭礼から始まり、約400年続いてきました。例年10月、スポーツの日の前々日と前日に神輿渡御があり、三重県の無形民俗文化財である唐人踊りや、しゃご馬、八幡獅子舞が町を巡り、祭りの期間は中心街に露店が並びます。10月15日は例祭の日です。平成10年に始まった安濃津よさこいも同じ時期に行われ、久居では10月にひさい祭りがあります。付き合って最初の秋にこの祭りを二人で見ておけば、翌年からは毎年の予定として自然に続いていきます。
少し遠出をするなら、榊原温泉が候補になります。枕草子に「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯」と記された「七栗の湯」とされる温泉で、泉質はアルカリ性単純温泉、山の中の保養地らしい落ち着いた雰囲気です。久居駅から三重交通バスで約30分、近鉄大阪線の榊原温泉口駅からは宿の送迎を利用できます。久居駅からのバスは1時間に1本程度とされるので、帰りの便まで先に調べてから出かけます。西の青山高原は室生赤目青山国定公園に含まれ、青山高原ウインドファームの風車24基が並んでいます。同じ近鉄大阪線の東青山駅の近くには東青山四季のさとがあります。
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