善光寺平に広がる門前町と、三社の線路がつくる暮らしの範囲
長野県の北部、北信地方にある長野市の市街地は、標高330から380mほどの長野盆地、通称善光寺平にあります。千曲川と犀川という二つの大きな川が市内を流れ、まちの背景には飯縄山や戸隠山、黒姫山などの北信五岳が連なります。主な市街地は、犀川と裾花川がつくった扇状地の上に広がっています。
市域は14の管区と52の地区に分かれ、本庁のある長野管区のほかに篠ノ井、松代、若穂、川中島、更北、豊野などの管区があります。戸隠、鬼無里、信州新町も管区の一つで、これらは2005年と2010年の合併で市に加わった地域です。平地の側では、信越本線の篠ノ井駅や川中島駅、北しなの線の豊野駅のように管区と同じ名前の駅も多く、地区の名前からおおよその最寄り駅に見当をつけられます。
中心市街地は、長野駅から善光寺にかけてのおよそ2kmです。その途中に権堂のアーケード商店街があり、かつてはにぎわいの中心でしたが、近年は商業の重心が長野駅前へ移っています。歩いて参道へ向かう日は、このアーケードを抜けていく道順もとれます。食事は駅前、散歩は参道の方角へという南北の動き方が、この街のデートの土台です。
北陸新幹線は1997年に「長野新幹線」の名で長野まで先に開業し、2015年に金沢まで延びました。開業の翌年、1998年には長野オリンピック・パラリンピックが開かれ、その次の年の1999年4月に長野市は中核市へ移行しました。県外から帰省してくる相手や、仕事で新幹線を使う相手と会う日は、新幹線の改札を目印にしておくと迷いません。
長野駅に集まるJR、しなの鉄道、長野電鉄
市内を走る鉄道会社は三つあります。JR東日本の北陸新幹線、信越本線、篠ノ井線、飯山線、しなの鉄道のしなの鉄道線と北しなの線、そして長野電鉄の長野線です。信越本線は篠ノ井、今井、川中島、安茂里を経て長野駅へ入り、北しなの線は北長野、三才、豊野と北へ延びます。長野電鉄は長野駅を出ると市役所前、権堂、善光寺下、本郷、桐原、信濃吉田、朝陽、附属中学前、柳原と進み、須坂方面へ向かいます。
篠ノ井駅を通るしなの鉄道線の列車は、すべて長野駅まで乗り入れています。北しなの線とのあいだには長野駅をまたいで走る直通列車も一部あり、飯山線は豊野駅で北しなの線とつながります。信越本線、しなの鉄道線、北しなの線、長野電鉄のどの沿線に住んでいても、長野駅には乗り換えなしで出てこられます。
市内には信州大学の教育学部と工学部のキャンパスや長野県立大学などがあり、長野駅の東口にもキャンパスを構える大学があります。都市圏全体では車社会が進んでいる一方、地方の中規模都市としては鉄道やバスで通勤や通学をする人が多く、朝夕は駅もバス停も学生や勤め人で混み合います。その時間帯を外して、昼に会う約束をするのも一つの手です。
雪の量より冷え込みに気を配る冬
長野市は寒暖差の大きい内陸性の気候で、年間の降水量は少なめです。そのぶん晴れた冬の朝晩は強く冷え込み、近年も1月に氷点下10℃を下回る日が観測されています。冬の約束で気にかけたいのは、雪の量よりも外で過ごす時間の長さです。屋外を歩くのは日の高い時間に短くまとめ、暗くなる前に屋内へ移る組み立てにしておけば、相手を寒空の下で待たせずに済みます。市街地にも冬には雪が積もるので、参道を歩く予定の日は滑りにくい靴で来てもらうよう、事前に伝えておきたいところです。
仲見世通りと城山公園、最初の一回に向く長野市内の場所
長野で出会いを探すなかで、やりとりが続いた相手と最初に顔を合わせる日なら、行き先は善光寺の周辺から考え始めると無理がありません。中心部と、平地の松代や川中島、山あいの戸隠や飯綱とでは、寒い時期の過ごしやすさがはっきり分かれます。
| 場所 | 地域 | 寒い時期の過ごしやすさ | 話のきっかけ |
|---|---|---|---|
| 善光寺と仲見世通り | 中心市街地の参道 | 参道は屋外、お戒壇巡りは本堂の下 | 国宝の本堂と重要文化財の山門 |
| 城山公園 | 善光寺の東側 | 屋外中心 | 参拝の後に続けて歩ける |
| 長野県立美術館 | 城山公園の中 | 館内で過ごせる | 善光寺本堂のすぐ隣 |
| 松代の城下町 | 松代地区 | 屋外の町歩き | 松代藩の城下町の歴史 |
| 川中島古戦場史跡公園 | 川中島地区 | 屋外中心 | 武田信玄と上杉謙信の戦いの地 |
| 戸隠神社 | 戸隠地区 | 冬は避けたい山あい | 奥社へ続く杉並木の参道 |
| 飯綱高原 | 飯綱エリア | 冬はスキー場のある高原 | 大座法師池のほとり |
参道を歩くなら日の高いうちに
善光寺は約1400年前の創建と伝えられ、天台宗の25院と浄土宗の14坊からなります。山門へ向かう仲見世通りを歩き、本堂ではお戒壇巡りに挑んでみる、という流れなら、初回にちょうどいい長さに収まります。お戒壇巡りは本堂の下の真っ暗な回廊を手探りで進むもので、出てきたときに自然と感想を言い合えます。暗い場所が苦手な相手もいるので、入る前にひと言聞いておくと安心です。待ち合わせを長野駅にしておけば、駅前で食事を済ませてから参道へ向かう順番も、その逆も選べます。
本堂の隣に建つ県立美術館
善光寺の東に広がる城山公園の中に、旧信濃美術館を全面的に建て替えた長野県立美術館が2021年4月に開館しました。建物は善光寺の本堂と隣り合っているので、参拝を終えたその足で入館できます。東山魁夷館も併設されていて、二人で見たい展示を選ぶ楽しみもあります。展示の内容は時期ごとに変わるため、誘う前に会期を確かめておけば、相手の興味に合うかどうかを事前に話題にできます。
車で出かける日の松代と川中島
松代は松代藩の城下町で、松代城跡や文武学校のほか、真田邸、旧横田家住宅、長国寺などが残っています。川中島には、武田信玄と上杉謙信の戦いの舞台となった川中島古戦場史跡公園があり、歴史に詳しくない二人でも、武将の名前を手がかりに会話が続きます。どちらも中心部から少し離れているので、車を持つ相手との二度目以降の昼に向いています。
戸隠の五社と杉並木
戸隠神社は奥社、中社、宝光社、九頭竜社、火之御子社の五社からなり、奥社へは約2kmの参道が続いて、樹齢約400年の杉並木の下を歩きます。戸隠には鏡池や戸隠牧場もあり、中社と宝光社のまわりに並ぶ宿坊の家並みも重要伝統的建造物群保存地区として守られています。参道と宿坊の町並みをあわせて歩けば、半日がゆっくり過ぎていきます。
高原と市内の公園で過ごす昼
長野市の飯綱エリアに広がる飯綱高原には、大座法師池やスキー場があり、夏には飯綱火まつりが開かれます。北しなの線沿いの飯綱町とは名前が似ていますが、こちらは長野市内の高原です。冬はスキー、雪のない季節は池のほとりの散歩と、同じ場所でも誘い方が変わります。
公園は城山公園のほかに、しののい公園、茶臼山恐竜公園、昭和の森公園なども市内にあります。中心部まで出るのが手間な日には、こうした公園の近くで会えば、二人とも移動に時間を取られずに済みます。
善光寺の行事と晩秋の花火、長野の一年に寄り添う付き合い方
相手を彼女と呼べる日が近づいてきたころに知っておきたいのは、冬の灯りも春の花も夏の踊りも、長野駅から善光寺にかけての市街地が会場になるということです。ここに挙げる時期はどれも例年の目安です。松代などの市内には温泉もあり、二人の仲が落ち着いてきたら、行事のない時期の誘い先として話題にしてもいいでしょう。
冬の灯りと春の花
一年で最初の機会は、例年2月上旬から中旬に善光寺の周辺で開かれる長野灯明まつりです。2004年から続く冬の行事で、寒さの厳しい時期にも街へ出かける理由を一つ作ってくれます。会場が善光寺の周辺なので、駅前で落ち合ってから参道を歩いて向かう道のりも、行事の一部として楽しめます。
春のゴールデンウィークには、長野駅から善光寺までの街角を花で彩る善光寺花回廊が例年開かれます。2002年に始まったこの催しでは、駅と参道を結ぶ道筋の街角が花で飾られるので、食事の場所へ向かって歩くだけでも花が目に入ります。城山公園の桜は例年4月中旬が見頃で、花回廊より少し早く春の外歩きを楽しめます。
夏の踊りと晩秋の花火
例年8月上旬には長野びんずるがあり、中央通りや昭和通りなどの市街地を「連」と呼ばれるグループがしゃもじを鳴らしながら踊り歩きます。名前は善光寺のびんずる尊者に由来します。沿道から踊りの列を眺めるだけでも、夏の一日を二人で過ごす口実として十分です。
晩秋の楽しみは長野えびす講煙火大会です。明治32年、1899年から回を重ねてきた花火大会で、例年11月下旬、勤労感謝の日のころに長野大橋の西側にある犀川第2緑地で打ち上げられます。打ち上げの日取りは毎年の告知で確かめ、当日は明るいうちに駅前で待ち合わせて食事を済ませ、それから会場へ向かうと一日の流れがきれいにつながります。このほか、長野マラソン、松代藩真田十万石まつりや川中島古戦場まつり、ながの祇園祭御祭礼屋台巡行、善光寺お盆縁日など、地域ごとの行事もあります。相手の住む地区の祭りを一緒に見に行くのも、その土地を知るきっかけになります。
申し込みはこのページで受け付けていて、届いた内容を確認してからメールで結果をお知らせします。
長野駅から三方向へ延びる線路と、その先の市町村
長野市のまわりには、同じ線路で長野駅と結ばれた市や町が続いています。須坂市、小布施町、中野市、飯綱町、信濃町、千曲市は長野市と境を接し、高山村と坂城町はその少し先にあります。ここで挙げる落ち合う駅は、路線の上での位置をもとにした目安です。
蔵の町と栗の町が続く長野電鉄の沿線
明治から昭和の初めにかけて製糸業で栄えた須坂市には、土蔵や大壁造りの商家が残り、蔵の町とも呼ばれます。長野電鉄長野線の須坂駅が中心の駅で、長野駅とは乗り換えなしでつながっています。須坂駅で会うほか、相手に長野側まで来てもらえるなら権堂や善光寺下で降りて、そのまま参道を歩く日にもできます。
小布施町で出会いを探すなら、長野駅とのあいだで真ん中あたりにある須坂駅を、落ち合う駅にすると使いやすいはずです。町内には1976年に完成した北斎館をはじめ12の美術館や博物館があり、栗の菓子でも知られる町です。
長野電鉄の沿線をさらに進むと、作曲家の中山晋平ゆかりの中野市に入ります。中心となる駅は信州中野駅です。相手が中野市に住んでいるなら、小布施駅か須坂駅を落ち合う場所の候補にすると、電車に乗っている時間を二人で分け合えます。
須坂市の先にある高山村には、村内を通る鉄道がなく、須坂駅と山田温泉を結ぶ長電バスが通っています。バスの起点でもある須坂駅を目印にするのが、会うときには現実的です。
リンゴの里と一茶の生まれた町へ延びる北しなの線
リンゴの産地として知られる飯綱町では、廃校を使ったシードルづくりも行われています。中心は北しなの線の牟礼駅です。飯綱町に住む相手とは、豊野駅か北長野駅で会う形にすると、市街地へもすぐに出られます。
野尻湖と黒姫高原を抱える信濃町は、俳人の小林一茶が生まれた土地です。北しなの線には黒姫駅と古間駅があり、長野方面へ向かう途中の牟礼駅や豊野駅が落ち合う場所の候補になります。
精進落としの湯と坂木宿、篠ノ井から南の町
千曲川の中流域にある千曲市の戸倉上山田温泉は、明治期に善光寺詣りの精進落としの湯として開かれました。善光寺とのつながりがあるぶん、長野市に住む相手とも話の接点を見つけやすい温泉地です。中心の駅はしなの鉄道線の屋代駅で、千曲での出会いを考えている人なら、長野市内の篠ノ井駅で落ち合う形にすれば、二人の移動の釣り合いが取れます。
坂城町は上田市と千曲市に接する町で、長野市とは境を接していません。江戸時代には北国街道の坂木宿が置かれ、いまはバラの生産地で、さかき千曲川バラ公園もあります。しなの鉄道線の坂城駅やテクノさかき駅から長野方面へ向かうなら、屋代駅か篠ノ井駅で落ち合う日を選べます。