山が迫る港の街と、三本の線路が分ける暮らし
佐世保市は長崎県北部の中核市です。長崎市からは北北西へ約50km離れ、市域の西から南にかけては海に面し、東側では佐賀県と県境を接しています。
市の南では、針尾島が早岐瀬戸をはさんで九州本土と向かい合い、佐世保湾と大村湾を隔てています。島と本土は橋で結ばれています。
町並みには坂が多く、中心市街地のすぐ近くまで山地が迫っています。自転車で移動する人が少ないのはそのためです。中心部とは別に、市の中西部の相浦と南部の早岐にもまとまった市街地があります。2005年から2006年にかけての合併では吉井や世知原、小佐々などの町が加わり、五島列島北端の宇久島まで市域が広がりました。海と山と離島を一つの市が抱えている形です。
市内を走る鉄道は三本です。JR佐世保線は三河内、早岐、大塔、日宇を経て佐世保駅に入ります。JR大村線は早岐からハウステンボス、南風崎へと南に延び、松浦鉄道西九州線は佐世保駅から相浦や佐々の方面へ北上します。博多との間には特急「みどり」がほぼ毎時1本走っています。路線バスは西肥バスとさせぼバスの二社で、かつての市営バスの路線も両社に引き継がれています。
そのため佐世保で出会いを探すときは、鉄道とバスの路線が約束の土台になります。相浦の近くに住む相手なら松浦鉄道、早岐や日宇の方面ならJRと使う線が分かれるため、メッセージを交わすうちに相手がどの駅やバス停を使っているかを確かめておくと、一度目の場所がすんなり決まります。合併で市に加わった吉井の近くに住む相手なら、西九州線の吉井駅や、松浦方面へ向かう西肥バスの路線がふだんの足になります。
博多の方面から特急「みどり」で来る相手と会う日は、列車が早岐で向きを変えてから終点の佐世保駅に入ることを前もって伝えれば、進行方向が変わっても相手は車内で戸惑いません。長崎市の方面から来る相手なら、大村線を経由する快速「シーサイドライナー」が使えます。
一度目はアーケードの下か、九十九島を見下ろす丘で
| 候補 | 足を運ぶ時間 | 現地での段取り |
|---|---|---|
| 佐世保駅みなと口 | 昼でも夜でも使える | 広場で顔を合わせ、そこから行き先を話し合う |
| さるくシティ4○3(四ヶ町・三ヶ町) | 日中から夕方 | 屋根の下で店をのぞいて歩く |
| 九十九島パールシーリゾート | 開館している昼間 | 水族館を見てから遊覧船に乗る |
| 展海峰 | 空の晴れた昼間 | 高台から島々を見下ろす |
| 弓張岳展望台 | 日没後の夜 | 市街と港の灯りを眺める |
マッチングアプリを通じた一度目の約束で、どこを目印にするか決めかねたら、佐世保駅が使えます。三浦町にあるJRと松浦鉄道の駅です。港側の鯨瀬埠頭のあたりは再開発が進み、駅ビルや多目的ホールのアルカスSASEBOが建っています。駅のみなと口には広場があり、JRで来る相手とも松浦鉄道で来る相手とも同じ場所で落ち合えます。
中心商店街は四ヶ町と三ヶ町で、一直線に続くアーケードは二つを合わせて約960mあり、「さるくシティ4○3」という愛称が付いています。四ヶ町の名は上京町、下京町、本島町、島瀬町の四つの町に由来します。佐世保駅の側から入ると古くからの店が並び、本島町から島瀬町にかけてはファッションビルや書店、雑貨店、カフェなどの専門店が増えていきます。周辺には京町通り、戸尾市場、佐世保五番街といった買い物の場所もあり、二度目に会うとき行き先を少し変えるのも簡単です。街なかでは亀山八幡宮や福石観音が名所に数えられ、アーケードとは趣の違う行き先として、頭の片隅に置いておけます。
海の景色を見せたい日は九十九島へ向かいます。北松浦半島の西岸に連なるリアス式海岸の群島で、全域が西海国立公園に含まれます。鹿子前町の九十九島パールシーリゾートは南九十九島に面した市立の複合施設で、水族館「海きらら」と遊覧船のターミナルがそろい、遊覧船「未来」や「パールクイーン」で島々の間を巡れます。施設には飲食店や土産物店も入っているので、船を待つ間に休む場所にも困りません。近くには九十九島動植物園「森きらら」もあり、屋内と屋外を空模様で選べる点が佐世保の出会いスポットとしての強みです。
島々を高い場所から眺める展望地もいくつかあります。下船越町の展海峰は展望公園で、駐車場そばの花壇には春に菜の花、秋にコスモスが植えられ、南九十九島の松浦島のあたりを見下ろせます。石岳の山頂にある展望所は九十九島動植物園を見下ろす位置にあり、牧島から松浦島にかけての島々が見渡せます。ポスターでよく見かける九十九島の風景は、ここから見たものが多いとされます。夕日を正面に見たいなら船越展望台、芝生でくつろぎたいなら「眺望の丘」がある九十九島観光公園と、目的で選び分けられます。
九十九島には人の暮らす島もあり、高島や黒島、前島などが有人島です。西の端にある黒島の集落は、2018年に世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つとして登録され、黒島天主堂が島のシンボルになっています。付き合いが深まってから、島の歴史に触れる遠出を計画するのもいいかもしれません。
夜に足を延ばすなら、市中心街の西にそびえる弓張岳です。頂上近くの展望台からは市街地と港、西側の九十九島まで見渡せ、夜景の美しさで知られています。暗くなってから山へ上ることになるので、何度か会って互いの人柄がわかってから誘うほうが、相手も安心して応じられます。
ハウステンボスは中世のオランダをテーマにしたテーマパークで、前身は長崎オランダ村です。JR大村線のハウステンボス駅で降りられます。初対面で選ぶより、休日の予定を二人で合わせられるようになってからの行き先として取っておくのも一つの考え方です。
初売りとYOSAKOIの街で、少しずつ距離を縮める
1月2日の早朝、四ヶ町一帯で行われる佐世保初売りが、この街の一年の幕開けです。春になると花の便りが続き、藤の名所の藤山神社、ツツジで知られる長串山公園、桜と渦潮が見られる西海橋・新西海橋と、行き先には事欠きません。二つの橋は佐世保市と西海市を結んでいて、西海橋では例年4月上旬に観潮会が開かれます。例年5月には三川内焼の「はまぜん祭り」があり、5月から6月にかけては早岐で茶市が初市から梅市まで何度かに分けて立ちます。
梅雨は長く、蒸し暑さが続き、雨の量も多くなります。この時期は海きららやアーケード、佐世保市博物館島瀬美術センターなど、屋根の下で過ごせる行き先を先に決めておくと、雨で約束が流れずに済みます。
夏の大きな催しは、させぼシーサイドフェスティバルで、例年8月上旬の土曜と日曜に開かれます。主な会場は佐世保駅みなと口の広場なので、初めて待ち合わせた場所が祭りの会場に変わる日でもあります。例年8月には福石観音の千日祭や精霊流しもあり、下旬には旧江迎町で江迎千灯籠まつりが開かれます。昼の海で過ごしたい日には、白浜海水浴場も市内の候補に入ります。
秋は例年10月上旬の三川内陶器市に続いて、10月下旬にYOSAKOIさせぼ祭りがやってきます。四ヶ町商店街の関係者らが作った祭りで、金曜の前夜祭のあと土曜と日曜に本祭りがあり、市内の公道や商店街、公共施設が踊りの会場になります。三日間のうちどの日にどの会場へ行くかは、その年に発表される案内を見ながら二人で決めることになります。11月には亀山八幡宮で佐世保くんちがあり、11月下旬から12月下旬にかけての催しはきらきらフェスティバルです。
相手の家族へのあいさつを考える頃には、九十九島カキや九十九島せんぺい、世知原茶といった佐世保の名産が手土産の候補になります。
佐世保で婚活や恋活を始めたい方は、メールアドレスをお送りいただければ、申し込みを拝見してから結果をメールにてご連絡します。
北の半島、東の焼き物の里、南の大村湾
松浦鉄道で北へ、佐々町と松浦市と平戸市
佐々町は南西部の海岸線を除いて周りを佐世保市に囲まれ、そのベッドタウンにあたる町です。松浦鉄道の佐々駅には「河津桜とシロウオの里」という愛称があります。佐々町に暮らす相手と会う日は、同じ西九州線の相浦駅の周りか、佐世保の中心部を選ぶのが現実的です。
線路をさらに北へたどると、伊万里湾と玄界灘に面した松浦市があり、2019年に「アジフライの聖地」を宣言しています。西肥バスは佐世保から佐々、旧吉井町を通って松浦市へ向かうため、バスと西九州線がともに通る吉井駅の周りを中間の目安にできます。
北西の平戸市では、平戸大橋が開通して平戸島と九州本土が結ばれました。本土側の田平地区には西九州線のたびら平戸口駅があります。平戸で出会いを求める人とは、旧江迎町にある江迎鹿町駅のあたりで落ち合う形がとれ、佐世保と平戸を結ぶ西肥バスの半急行もこの一帯を通ります。
JR佐世保線の県境と、鉄道のない波佐見町
有田町は有田焼の産地として知られる佐賀県の町です。有田駅はJRと松浦鉄道が接続する駅で、特急「みどり」も止まります。県境のこちら側、佐世保市の三河内駅の一帯は三川内焼の産地で、三川内陶磁器文化センターがあります。有田町に住む相手と会う日は三河内駅の周りを選べば、有田焼と三川内焼という焼き物の産地どうしで話題にも困りません。
伊万里湾を三方から囲む伊万里市には、江戸時代、有田や波佐見、三川内の磁器がこの港から積み出され、「伊万里焼」と呼ばれた歴史があります。西九州線は北松浦半島をぐるりと回る線なので、伊万里で出会いを探していて佐世保側の相手と会うなら、JR佐世保線と西九州線が交わる有田駅の周りで段取りを組むほうが近道です。
江戸時代前期から陶磁器を作ってきた波佐見町は波佐見焼で知られますが、町内を走る列車はありません。佐世保駅前や早岐駅前、三河内駅前から町内へ路線バスが出ているので、波佐見町に住む相手にはバスか車で早岐駅の周りまで来てもらう方法があります。
大村湾沿いを南へ、川棚町と東彼杵町
川棚町は大村湾に南面する町で、西部の海岸はリアス式の入り組んだ形をしており、海には小島が点在しています。町の鳥はインドクジャクです。大村線の列車も西肥バスの特急もハウステンボスを経由するので、川棚で出会いを探す人とはハウステンボス駅の周りで待ち合わせられます。
佐世保市と境を接するのは手前の川棚町までで、大村線でその先へ進んだところにあるのが東彼杵町です。長崎街道の宿場町だった歴史を持ち、今は斜面の畑でそのぎ茶が作られています。会う日は、二人の間にあたる川棚駅の周りを目印にすると、どちらも同じ線で行き来できます。