大手口と雁木のアーケード、長岡の街の動き方
長岡駅には上越新幹線と信越本線が乗り入れ、信越本線で一つ隣の宮内駅から分かれる上越線の列車も、すべてこの駅まで入ってきます。上越線の終点にあたる宮内駅も長岡市内の駅です。新幹線「とき」は東京・越後湯沢方面と燕三条・新潟方面の両方を結んでいるので、市内に住む人も周辺の町から来る人も、まず長岡駅を目印にして動くことになります。
駅の西側にある正面口は、長岡城の大手門にちなんで「大手口」と呼ばれ、駅ビルが入っています。反対側の東口とは自由通路でつながっていて、東口の駅前広場に面したホテルは、この自由通路から直接入れるつくりです。「長岡駅で」とだけ約束すると二つの出口で行き違うおそれがあるため、大手口か東口か、改札を出てどちらへ向かうかまで伝え合っておくのが確実です。大手口なら駅ビル、東口なら駅前広場のホテルというように、出口ごとの目印になる建物を添えると、初めての相手にも伝わりやすくなります。
大手口から延びる大手通りには、雁木を改造した大規模なアーケードが設けられています。市街のほかの通りにも雁木が整備され、道路には地下水を使った消雪パイプが設置されています。長岡市は全域が豪雪地帯で、なかでも旧小国町、旧越路町、旧山古志村、旧栃尾市、旧川口町は特別豪雪地帯の指定を受けています。雪の季節に会う日は屋根の下をつないで歩ける道筋を先に決め、河川敷や公園へ足を延ばすのは雪が消えてからに回す、という順番がこの街での段取りの基本です。
いまの市域は合併によって大きく広がり、日本海沿いの寺泊から山あいの山古志までが同じ長岡市です。ひと口に長岡暮らしといっても、駅前の市街と海辺の寺泊、特別豪雪地帯に入る山古志とでは冬の移動の重さが違い、山あいから市街へ出てくるだけでひと仕事という日もあります。そうした地区の相手とは、雪の少ない時期に会う回数を多めにするなど、季節によって約束の組み方を変える柔軟さが求められます。
学びの場が多いのも長岡の特徴で、長岡技術科学大学や長岡造形大学、長岡大学、長岡崇徳大学と、大学がいくつもあります。教育を重んじた米百俵の故事で知られる街らしい顔ぶれです。このうち長岡造形大学のキャンパスは千秋にあり、後で触れる新潟県立近代美術館と同じ信濃川沿いの一帯に入ります。
見附、三条、小千谷、柏崎など周辺の市町村から長岡へ
長岡駅を出る線路は、新潟方面へ向かう信越本線、高崎方面へ向かう上越線、日本海側の柏崎へ向かう信越本線、そして新幹線の大きく四つに分かれます。このうち上越線と柏崎方面の信越本線は、どちらも市内の宮内駅を通ってから長岡駅に入ります。周りの八つの市町村は、このどれかで長岡駅と一本につながる街と、途中の駅で乗り継ぎが要る街とに分かれます。車で動く相手なら、市内を通る関越自動車道と北陸自動車道も行き来の軸になります。関越道には小千谷ICや魚沼ICが、北陸道には中之島見附ICがあり、上越線沿いの街とも見附方面とも高速道路で行き来できます。
信越本線を新潟方面へ、見附市と三条市、加茂市
長岡駅と同じ信越本線に見附駅がある見附市は、長岡市と境を接する街です。市街を刈谷田川が流れ、市内には「みつけイングリッシュガーデン」があります。電車なら長岡駅か見附駅のどちらかで降りるだけで顔を合わせられ、車の日はこの庭園を目的地に決めておくと当日に迷いません。
江戸時代の和釘作りに始まる「ものづくりのまち」として歩んできたのが三条市で、日本有数の金属加工を中心とする産業集積地とされています。中心となる駅は信越本線と弥彦線が接続する東三条駅です。三条で出会いを探すときは、長岡から信越本線ひと筋で着く東三条駅の周りが、無理なく落ち合える場所になります。
三条市と接する加茂市は、長岡市と直接の境こそないものの、同じ信越本線に加茂駅があります。伝統的工芸品の加茂桐箪笥で知られ、例年、4月の中旬から5月の上旬には加茂川の上に鯉のぼりが並びます。加茂の相手とも東三条駅で会えば、加茂側の移動は短く、長岡から来る側も乗り継ぎなしで済みます。
新幹線の燕三条駅を起点に、燕市と弥彦村
上越新幹線で長岡とつながる燕三条駅は、駅舎が燕市と三条市にまたがっています。燕市は金属洋食器の産地として知られる街です。分水地区では例年4月第3日曜に「分水おいらん道中」が開かれます。燕で出会いを広げるなら、燕三条駅を待ち合わせ先にすると、燕駅からは弥彦線で一本、長岡側からは新幹線で向かえます。
弥彦村も長岡市と接していますが、長岡から弥彦まで直通する列車はありません。鉄道なら信越本線で東三条駅、または新幹線で燕三条駅に出て、弥彦線に乗り継ぐ道筋です。そのため弥彦の相手と会う日も燕三条駅が中継点になります。弥彦駅から神社へ向かう通りには観光案内所や足湯、観光施設「おもてなし広場」が整っていて、車で出かける日なら駅前からのこの通りが行き先の候補に入ります。
上越線をさかのぼって、小千谷市と魚沼市
上越線の小千谷駅がある小千谷市は、信濃川沿いの街です。伝統的な麻織物の小千谷縮が知られ、例年9月の片貝まつりでは正四尺玉が打ち上げられます。小千谷で出会いを求めるのであれば、上越線の列車が長岡駅まで乗り入れているぶん、長岡駅大手口で会うにせよ小千谷駅で会うにせよ、乗り換えはいりません。
魚沼市の中心は上越線の小出駅で、只見線もここで接続しています。魚沼産コシヒカリの産地で、奥只見湖(正式な名前は銀山湖)もこの市にあります。上越線では小出駅と長岡駅のあいだに小千谷駅があるため、魚沼に住む人との待ち合わせは、途中の小千谷駅に置くと収まりがよくなります。
海沿いの柏崎市へは信越本線で
柏崎市は長岡市と接する日本海側の街で、中心の柏崎駅は信越本線の駅であり、越後線の起点でもあります。鯨波、番神、石地などに海水浴場があり、例年7月の「ぎおん柏崎まつり」で上がる海の大花火大会は「越後三大花火」の一つとされています。海辺の柏崎で出会いを探す場合でも、長岡駅とは信越本線で結ばれているので、どちらかの駅で落ち合い、夏は海辺まで足を延ばすという一日も描けます。
屋根のある広場から河川敷まで、長岡で最初に会う場所
| 場所 | 所在地と行き方 | 合う時期 |
|---|---|---|
| アオーレ長岡のナカドマ | 長岡駅大手口から徒歩約3分 | 通年 |
| 千秋が原の美術館・ホール | 美術館は千秋3丁目 | 通年(屋内の施設あり) |
| 悠久山公園 | 御山町 | 雪のない季節 |
| 寺泊魚の市場通り | 日本海沿いの寺泊地区 | 知り合って二回目以降 |
雪が降っても待ち合わせの場所がぶれないのが、シティホールプラザ アオーレ長岡です。市役所本庁舎、アリーナや市民交流ホールなどの交流施設、屋根付きの広場「ナカドマ」の三つからなり、2012年4月1日に開業しました。設計は隈研吾建築都市設計事務所です。長岡で出会いを探して最初に顔を合わせる段階なら、市役所と同じ建物というわかりやすさが役に立ち、平日の夕方に少しだけ会う日にも向いています。
信濃川の河川敷一帯は「千秋が原」と名付けられています。左岸の「千秋が原ふるさとの森」には1993年7月に開館した新潟県立近代美術館があり、長岡リリックホールとハイブ長岡も同じ一帯です。天気が崩れたら美術館やホールの中で過ごし、晴れていれば川沿いの景色を楽しむというように、当日の空模様で予定を切り替えられる場所です。
大手通りのアーケードは、ナカドマで落ち合ったあとに歩き出す道として使えます。屋根が続くので雨の日も傘を差さずに並んで歩け、入る店を二人で相談しながら進めます。初対面でいきなり向かい合って座るのが落ち着かない相手なら、歩きながら話す時間を先に挟むだけで、席に着いてからの会話もほぐれます。
悠久山公園には、ニホンザルなどがいる小動物園と長岡市郷土史料館があり、すぐ隣に蒼柴神社が建っています。公園と史料館を組み合わせれば、屋外だけで時間を埋めずに済みます。散歩は日のあるうちに切り上げ、夕方には市街地へ戻るくらいの配分が無理のない目安です。
長岡の歴史に関心がある相手となら、長町1丁目の河井継之助記念館や、呉服町1丁目の山本五十六記念館といった施設も市内にあります。山本五十六の生家跡は、いまは記念公園になっています。
もう一歩遠出をするなら、寺泊にある魚の市場通りです。かつては「魚のアメ横」と呼ばれていましたが、東京のアメ横の名称に配慮していまの名前になりました。越後線の寺泊駅は町の中心から離れているため、ここは車で行く日に回すほうが現実的です。
花火の夏と雪の冬、長岡で交際を重ねていく一年
交際が続いてきた二人にとって、夏の大きな楽しみになるのが長岡まつりです。長岡まつりは例年8月1日から3日までで、1日は灯籠流しなどが行われる平和祭(前夜祭)、2日と3日が大花火大会にあたります。会場は信濃川の河川敷、長生橋の下流です。「日本三大花火大会の一つに数えられる」大会で、長岡の花火を代表する正三尺玉も打ち上げられます。人出が非常に多い催しなので、初対面の日ではなく、相手の歩く速さや好みが分かってきた頃に誘うのが向いています。どこから見るか、当日どう動くかは、誘った段階で二人一緒に調べ始めれば、相談しながら決めていけます。
春は悠久山公園の桜が見どころです。開園前から多くの桜が植えられてきた公園で、花見の季節には散歩の行き先として名前が挙がります。桜の時期は人が増えるので、待ち合わせは早めの時間にして、食事は市街に戻ってからにすると慌ただしさが減ります。
宮本東方町の国営越後丘陵公園は、1998年7月に29haで一部が開園した公園で、季節ごとに表情が変わります。春はチューリップ、「ながおか香りのばら園」には約800品種、約2,400株のバラがあり、秋にはコスモスが咲きます。春と秋に一度ずつ訪ねれば、同じ公園でも花の違う景色の中で過ごせます。降雪期の1月から2月には、例年、長さ150mのソリゲレンデなどが整えられます。冬ごとに整える施設なので、滑りに行く日を決める前に公園の発表へ目を通しておくと空振りがありません。
交際が深まると、市街の外にある長岡の地区へ二人で出かける日も楽しみになります。山古志は錦鯉の発祥の地とされ、「牛の角突き」も、国の重要無形民俗文化財として山古志に受け継がれています。棚田や棚池の景色も山古志ならではのものです。山道を歩き回る計画は立てずに、角突きが開かれる日を選んでその見物を一日の中心に据えるほうが、二人の休日として無理がありません。
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