国際通りか、新都心か、首里の石畳か
最初の待ち合わせで名前が挙がりやすいのは国際通りです。県庁北口交差点から安里三叉路まで約1.6km続く通りで、「奇跡の1マイル」と呼ばれてきました。端から端まで歩くだけでも、話す時間がまとまって取れます。近くには県庁前・美栄橋・牧志の三つの駅があり、モノレールの並びでは県庁前が空港寄り、牧志が首里寄りにあたります。相手が空港側から乗ってくるなら県庁前、首里側からなら牧志と決めておけば、改札の外で探し合う時間が減ります。
ただし、いまの国際通りは地元の人より観光客に向いた性格の強い通りです。土産物の店先を眺めて歩くのは気軽でも、腰を落ち着けて話す場所は通りの外にも探しておきたいところ。通りの中ほどにあるむつみ橋交差点からは平和通りや牧志公設市場の方へ入れるので、歩きながら二人で横道を選べば、それだけで初対面の話題が一つ増えます。
観光客の多さが気になる相手なら、おもろまち駅で降りる那覇新都心が合います。国際通りの最寄り駅の一つである牧志から首里方面へ、あいだに安里を挟んで二駅の近さです。駅の周りには沖縄県立博物館・美術館と新都心公園があり、展示を見たあとで公園を歩く、という一日が組めます。博物館・美術館は2007年に開館した屋内の施設なので、雨が降り出しても予定を大きく崩さずに過ごせます。
首里の古い街並みを歩くなら、首里金城町石畳道があります。首里城公園の南側の斜面に続く約238mの道で、琉球石灰岩の平石が敷かれ、1987年8月10日には「日本の道100選」に選ばれました。首里駅から城の方へ歩いていけば、城の南からそのまま石の坂を下っていく道順になります。
昼に首里で会い、夕方にモノレールで中心部の牧志や美栄橋まで戻ってくる、という一日の組み方もあります。首里から牧志までは6駅、同じ線の上を下ってくるだけなので乗り換えはなく、首里の石畳の坂道と国際通りのにぎわいを一日のなかで両方歩けます。
空の広い場所で話したい日には、中心部の県庁前から空港方面へ、旭橋の次の壺川で降り、奥武山公園へ向かう手もあります。奥武山町に広がる約25haの県営の公園で、市営奥武山野球場や県立武道館、陸上競技場が集まっています。最寄りの壺川駅と奥武山公園駅のあいだでは、モノレールが、那覇市と豊見城市にまたがる干潟の漫湖のそばを通ります。漫湖は1999年5月にラムサール条約の登録湿地となった場所で、南西の岸には漫湖水鳥・湿地センターがあります。市内の公園としては、このほかに与儀公園もあります。
駅から歩いて何分かが分かっているのは、首里城公園と奥武山公園の二か所で、奥武山公園には使える駅が二つあります。
| 行き先 | 降りる駅 | 徒歩でかかる時間 |
|---|---|---|
| 首里城公園 | 首里駅 | 約15分 |
| 奥武山公園 | 壺川駅 | 約3分 |
| 奥武山公園 | 奥武山公園駅 | 約5分 |
JRのない中核市を、一本のモノレールと車で動く
那覇市は沖縄県の県庁所在地で、2013年4月1日には県内で最初の中核市になりました。主な地域には首里・真和志・小禄があり、県庁の周りから国際通り、久茂地にかけてが街の中心部、北側のおもろまち一帯が那覇新都心と呼ばれています。年平均気温は20℃を超える暖かい土地ですが、梅雨と台風の影響も受けます。
街の骨格になっているのがゆいレールです。2003年8月10日に那覇空港駅から首里駅までの区間で開業し、2019年10月1日に浦添市のてだこ浦西駅まで延びました。全長は17.0km、駅は19あり、那覇空港から首里までの15駅が那覇市内、石嶺・経塚・浦添前田・てだこ浦西の4駅が浦添市にあります。駅名で見ると、小禄は空港から二駅目、首里は市内で最後の駅です。
起点の那覇空港駅から終点のてだこ浦西駅まで乗り通しても、かかる時間は約40分。那覇で出会いを探す範囲を沿線全体に広げても、会いに行く移動そのものはそれほど重くなりません。駅名を言えば場所が伝わるのは、沿線に住む二人にとって大きな助けです。首里と小禄のように線の両端寄りに分かれて住んでいるなら、駅の並びのちょうど中ほどにある美栄橋か牧志が、会う場所の目安になります。
この街で暮らす人の動き方は、モノレールの駅に近いかどうかで分かれます。沿線に住む人なら駅名だけで待ち合わせが決まりますが、駅から離れた地域では、市内に広く張りめぐらされた路線バスの網と車が日々の足です。そうした相手には、最寄りの駅の代わりに、ふだん使うバス停やよく通る国道の番号を聞いてみると、暮らしている範囲が地図の上で見えてきます。
那覇新都心は、米軍の牧港住宅地区が1987年5月に全面返還されたあとの土地を再開発してできた地区です。商業施設と行政機関、住宅が入り混じり、那覇空港の高さ制限の外にあるため高い建物も建っています。国際通りとは違う新しい街並みの中で会いたいときの選択肢です。
学生の街としての顔もあります。首里には1986年に開学した沖縄県立芸術大学のキャンパスがあり、美術工芸学部と音楽学部を置いています。キャンパスは首里当蔵町・首里金城町・首里崎山町に分かれていて、石畳道のある金城町にもその一つがあります。国場には3学部からなる沖縄大学、市内には沖縄県立看護大学もあります。相手が学生なら、首里の芸大か国場の沖縄大学かで、ふだん過ごす方面がかなり違ってきます。
漫湖の南、国道329号の東、首里の向こうの市町村
那覇市の境の外側には、北に浦添市、南に豊見城市、東に南風原町、北東に西原町があります。八重瀬町・与那原町・糸満市・南城市・中城村は那覇との境を持たず、あいだにほかの市町が入ります。モノレールはこれらの市町村まで延びていないので、行き来は路線バスか車になり、国道329号・331号・507号や沖縄自動車道、那覇空港自動車道が主な道です。南は漫湖の先、東は国道329号の沿道、北東は首里の先と、方向ごとに三つに分けると、地図の上で整理できます。
漫湖の対岸に広がる南部の三市町
漫湖を那覇と分け合う豊見城市は、那覇の南に接する市で、2002年に村から直接市になりました。那覇とは国道331号や那覇空港自動車道で結ばれています。豊見城で出会いを探しているなら、那覇の相手と会う場所は漫湖の周りが分かりやすく、那覇側の最寄りは奥武山公園駅と壺川駅です。車で来てもらう日なら、豊見城側の、橋で渡れる瀬長島や埋立地の豊崎で会う日を作ってもいいでしょう。
さらに南へ下ると、沖縄本島の南の端に糸満市があります。旧暦5月4日に海神祭の糸満ハーレーが行われる市で、那覇とのあいだには豊見城市が入ります。糸満で出会いを求める人にとって、那覇の相手と落ち合う目安になるのは、国道331号か沖縄西海岸道路を北へ上った先の、豊見城の豊崎や瀬長島のあたりです。
八重瀬町は2006年に東風平町と具志頭村が合併してできた町で、県指定有形文化財の富盛の石彫大獅子があります。那覇とは接していないため、会う場所の候補になるのは、八重瀬と那覇の両方に隣り合う南風原町か豊見城市です。道は国道507号(津嘉山バイパス)や331号を使い、相手の家が南風原寄りか豊見城寄りかで、どちらで会うかを決めればいいでしょう。
国道329号でつながる東の三市町
那覇から国道329号を東へ走ると、南風原町に入ります。沖縄県の自治体のなかで海に面していない町はここだけで、町の中心を国道329号が通っています。南風原に住む相手となら、国道329号沿いの那覇との境に近いあたりか、南風原側の黄金森公園で会えば、どちらの家からも遠くなりません。
与那原町は那覇の東約9kmにある町で、戦前には沖縄県営鉄道与那原線が那覇とのあいだを走っていました。いまは国道329号と331号が通り、那覇との境は持っていません。与那原から見ても那覇から見ても国道329号の途中にあたるのが南風原町なので、与那原に住む相手とは、329号沿いの南風原の区間を待ち合わせの目印にできます。
佐敷町・知念村・玉城村・大里村の四つが2006年に合併して生まれたのが、南城市です。那覇との間には与那原町や南風原町があり、行き来は主に車になります。南城市で暮らす相手と会う日は、待ち合わせを与那原・南風原方面に寄せると、お互いの運転が長くなりすぎません。
首里の北東にある大学の町と城跡の村
那覇の北東側に接する西原町には、国立大学の琉球大学の主なキャンパスと沖縄キリスト教学院大学があり、「文教のまち」とされています。西原での出会いを考える人なら、那覇側の入り口は首里方面で、首里駅や儀保駅の周辺が会う場所に使えます。車なら国道329号でつながっています。
世界遺産の中城城跡がある中城村は、那覇とは接していません。琉球大学のキャンパスの一部は村の南部にかかっています。中城の相手と会うときは、あいだにある西原町の琉球大学の周辺か、もう少し那覇に寄った首里方面が目安になります。
ハーリーの連休と大綱挽の十月を二人の予定に
那覇の春と秋の大きな行事は、どちらも祝日の続く連休に重なります。春は那覇ハーリーで、例年ゴールデンウィークの3日間、那覇港新港ふ頭で爬竜船の競漕が行われ、催し物や花火もあります。連休の予定は早く埋まりがちなので、その年の開催日が出たら二人で見て、どの日に行くかを先に決めておきましょう。
ハーリーが終わると雨の季節です。沖縄地方の梅雨入りは平年で5月10日ごろ、梅雨明けは6月21日ごろなので、5月中旬から6月下旬にかけての約束では、新都心の博物館・美術館のように雨でも過ごせる屋根のある場所を一つ用意しておくと安心です。平年の日付は目安で、梅雨入りも梅雨明けも1週間ほど前後する年があります。梅雨が終わった7月からは、今度は台風の近づく日が増える時期に入ります。
秋の那覇まつりの中心になるのが那覇大綱挽です。例年10月、スポーツの日(10月の第2月曜日)を含む連休の日曜日に、国道58号の久茂地交差点で大綱を引き合います。会場の久茂地は県庁前駅や美栄橋駅に近い中心部なので、当日もモノレールで向かえます。綱は毎年、稲わらから作られ、2019年の時点では雌綱と雄綱を合わせて長さ約200m、重さ約40トン、綱の直径は1m56cmありました。開催日はその年の10月の祝日の並びで決まるため、夏のうちにカレンダーで連休を確かめれば、二人の休みも合わせやすくなります。
首里城は2019年10月31日未明の火災で正殿・北殿・南殿などが焼失し、その後、2026年秋の完成を目標に正殿の復元工事が進められてきました。沖縄県は2026年11月23日を正殿の一般公開の開始日として案内しており、北殿・南殿などは正殿に続いて再建される計画です。見学できる範囲や入り方は時期で変わる場合もあるので、首里駅から歩いて向かう前に、沖縄県が開いている首里城の特設サイトで、出かける時点の情報を確かめてください。
沖縄県で出会いを探す最初の一歩として、申し込みにはメールアドレスがあれば足ります。