湖と比叡山に挟まれた細長い大津市の暮らし
滋賀県の県庁所在地である大津市は、2009年に中核市になりました。市域は琵琶湖の南西岸から南岸へ向かって南北に細長く伸び、西側の京都市との境には比叡山が南北に連なります。山と湖のあいだの限られた平地に町が並んでいるため、市内の移動は南北方向の行き来が中心になります。
いまの市域は、大津宿を中心に、いくつもの性格の違う町が合わさってできています。膳所は膳所藩の城下町、坂本は比叡山の門前町と港、堅田は湖上交通の拠点、瀬田は近江国庁が置かれた土地でした。同じ大津市民でも、膳所の住宅地と坂本の石垣の町並みとでは暮らしの景色が違い、「大津に住んでいる」と聞いただけでは相手の日常が見えてきません。南北に長いこの街では、相手の最寄りが湖西線の駅か、琵琶湖線か京阪の駅かが分かった時点で、会う場所の候補はかなり絞り込めます。
鉄道は大きく三つの系統に分かれます。南側を通るJR琵琶湖線には大津駅、膳所駅、石山駅、瀬田駅があり、中心駅はJR大津駅です。北へ延びるJR湖西線は大津京駅から唐崎駅、比叡山坂本駅、おごと温泉駅、堅田駅と湖岸をたどり、近江舞子駅や北小松駅まで市内を走ります。京阪の石山坂本線は坂本比叡山口駅から近江神宮前駅、三井寺駅、びわ湖浜大津駅、京阪膳所駅を経て石山寺方面へ向かう路線で、湖西側と湖南側の住宅地を一本で結んでいます。西の山科方面からは京阪京津線が追分駅、大谷駅、上栄町駅を通ってびわ湖浜大津駅に入ってきます。びわ湖浜大津駅の近くは電車が道路の上を走る併用軌道で、駅を出てすぐ目に入る街の特徴になっています。
車で動く人にとっての入口は、名神高速の大津IC、瀬田西IC、瀬田東IC、京滋バイパスの南郷ICと石山IC、そして北側の国道161号湖西道路と西大津バイパスです。相手が車で来るなら、どの道路から入ってくるかで駐車しやすい地区も決まってきます。
暮らしのリズムを左右しているのは京都との近さです。大津駅から京都駅まではJR琵琶湖線で10分ほどで、京都府や大阪府へ通勤や通学をする人が多く、琵琶湖線と湖西線の沿線は京都市のベッドタウンの役目を担いながら住宅地を広げてきた土地です。大津での社会人の出会いを考えると、勤め先が京都側にある相手か市内にある相手かで、平日の夜に無理なく会える時間帯も駅も違ってきます。
学びの場も南北に散らばっています。瀬田には龍谷大学瀬田キャンパスと滋賀医科大学、平津には滋賀大学大津キャンパスがあり、北の仰木の里東には成安造形大学、北比良にはびわこ成蹊スポーツ大学、雄琴には大谷大学湖西キャンパスがあります。
京阪石山坂本線を南北の軸にする
坂本と石山のように、どちらも京阪石山坂本線の駅の近くに住んでいるなら、この線が二人を結ぶ軸になります。坂本比叡山口駅と石山寺駅のあいだにびわ湖浜大津駅があるので、普段の食事や買い物をこの駅の周辺に決めておけば、どちらの家からも乗り換えなしで通える場所ができます。堅田の側からは、JR湖西線で大津京駅まで来て、京阪の石山坂本線に乗り継げば浜大津へ出られます。
湖岸の遊歩道と寺の参道で迎える初対面の日
| 降りる駅 | 歩く場所 | 合いやすい時間 |
|---|---|---|
| びわ湖浜大津駅・京阪石場駅 | 大津湖岸なぎさ公園、大津港の周辺 | 夏は夕方、春と秋は昼から |
| 京阪石山寺駅 | 石山寺の境内と瀬田川沿い | 花や紅葉の時期の午前 |
| JR石山駅 | 瀬田の唐橋のたもと | 散歩を兼ねた昼下がり |
| 近江神宮前駅・三井寺駅 | 近江神宮、三井寺の境内 | 参拝が中心の日中 |
| 坂本比叡山口駅 | 坂本の石垣の町並み、日吉大社 | ゆっくり歩ける休日 |
びわ湖浜大津駅から歩くなぎさ公園
大津湖岸なぎさ公園は、大津港の近くから湖岸に沿って全長約4.8kmにわたって続く公園です。びわ湖浜大津駅から徒歩3分ほどで入口に着き、京阪石場駅からも近いので、電車で来る相手と待ち合わせやすい場所です。園内はおまつり広場、打出の森、なぎさのプロムナード、市民プラザ、サンシャインビーチといったゾーンに分かれていて、歩く距離を相手の様子に合わせて調整できます。
都市景観100選に選ばれた湖岸で、周辺にはびわ湖ホールやカフェレストラン、ホテルが並びます。大津港は琵琶湖汽船の遊覧船「ミシガン」など複数の航路の拠点で、桟橋に船が出入りする様子を眺めながら話すのも自然な過ごし方です。水際は歩いて眺めるだけにとどめ、湖に入る遊びは初対面の予定に入れないでください。
夏の大津は真夏日が多く、湖岸は昼間かなり暑くなります。7月や8月に会うなら、日が傾いてから湖岸に出る段取りのほうが会話に集中できます。
なぎさ公園のほかにも、市内には柳が崎湖畔公園、膳所城跡公園、長等公園、皇子が丘公園と、散歩に使える公園がいくつもあります。相手の家から近い公園をひとつ挙げてもらい、そこから歩き始めるのもひとつの方法です。
石山寺と瀬田川沿いの散策
京阪石山寺駅から徒歩約10分の石山寺は、瀬田川沿いに建つ寺です。紫式部がここにこもっているあいだに源氏物語の着想を得たという伝承があり、境内の硅灰石は国の天然記念物、多宝塔は国宝に指定されています。梅、桜、紅葉と季節ごとに見どころが移るので、花の時期に合わせて誘うと、行き先を決める理由がはっきりします。
参拝のあとは川沿いを北へ歩くと、瀬田の唐橋に出ます。ことわざ「急がば回れ」の由来として知られる橋で、名前の由来を話題にしながら渡るだけでも間が持ちます。帰りはJR石山駅を使えば、京都方面や草津方面へ戻る相手も乗り換えに困りません。瀬田川は琵琶湖から流れ出る川で、橋の上からは湖とは違う川らしい流れが見られます。
近江神宮と三井寺、坂本の町並み
京阪石山坂本線の北側には、社寺を歩いて回れる駅が続きます。近江神宮はかるたの聖地として知られ、三井寺の名で親しまれる園城寺も駅から近い場所にあります。終点に近い坂本は日吉大社の門前町で、石垣の続く町並みが国の保存地区(重要伝統的建造物群保存地区)として守られています。静かな通りが多く、人混みが苦手な相手との一日目に合う地区です。
町の背後にそびえる比叡山には、世界文化遺産の延暦寺があります。坂本からはこの山へ上る坂本ケーブルも出ているので、町並みを歩くだけにするか山の上まで行くかは、その日の天気や相手の体力を見て決められます。
浮御堂が見える堅田の湖岸
湖西線の堅田駅を最寄りとする堅田には、近江八景の一つに数えられる浮御堂があり、湖に張り出したお堂を眺めながら岸辺を歩けます。湖西線の北側に住む相手にとっては、大津駅や浜大津まで南下するより近い場所で会えるのが利点で、市の中心部まで出てこなくても初対面の一日を組み立てられます。
湖の対岸や京都府側から会いに来る相手
琵琶湖線で東へ向かう栗東市と野洲市
大津市と陸続きで境を接するのが栗東市で、JR琵琶湖線の栗東駅と草津線の手原駅があります。JRA栗東トレーニングセンターがある市としても知られ、金勝山(こんぜやま)もこの市の山です。栗東で出会いを探すなら、大津側の瀬田駅や石山駅、あるいは草津市内の南草津駅や草津駅あたりで落ち合うと、どちらかが一方的に遠くまで出る形を避けられます。
さらに東の野洲市は大津市と接してはいませんが、同じ琵琶湖線の沿線です。新快速が停まる野洲駅が玄関口で、「近江富士」と呼ばれる三上山が市内にそびえます。野洲で出会いを求めている人と会う日は、琵琶湖線で両側から草津駅へ向かうと、おおよそ中ほどの駅で顔を合わせられます。
琵琶湖大橋の向こう岸にある守山市
守山市は、大津市から見ると湖を挟んだ向こう岸にあたり、1964年に開通した琵琶湖大橋で堅田側とつながっています。中心駅のJR守山駅には新快速が停車し、京都までは約24分です。守山での出会いを考えるとき、大津側の住まいが堅田やその北の湖西線沿線なら、堅田駅と守山駅を結ぶ路線バスが橋を経由するので、橋のたもとの湖岸あたりで会う手があります。反対に大津南部に住んでいる場合は、琵琶湖線で南草津駅や草津駅まで出るほうが早く着くかもしれません。
京都駅の先にある向日市・長岡京市・城陽市
京都府側の向日市、長岡京市、城陽市は、どれも大津市と接していません。それでも向日町駅と長岡京駅はJR京都線、城陽駅はJR奈良線で京都駅と結ばれているため、大津駅から琵琶湖線で向かう側とは京都駅で顔を合わせられます。
向日市には物集女車塚や寺戸大塚といった古墳が残り、西部の竹林を抜ける「竹の径」は、美しい日本の歩きたくなるみち500選に入った散策路です。
勝竜寺城公園は細川ガラシャゆかりの地で、例年11月には長岡京ガラシャ祭が開かれます。長岡京で出会いを見つけたい場合、市の玄関口は阪急の長岡天神駅とJRの長岡京駅の二つで、JR長岡京駅には新快速も停まります。
金銀糸の産地として知られる城陽市には、水度神社が祀られています。
茶どころの宇治田原町と、京滋バイパスが通る久御山町
宇治田原町は、栗東市と並んで大津市と境を接する京都府の町です。町内に鉄道はなく、京都京阪バスが宇治方面や京田辺方面と結んでいます。永谷宗円にちなんで日本緑茶発祥の地とされ、宇治茶の主な産地のひとつです。電車で会うなら、相手にはバスで宇治の駅周辺まで出てもらい、大津側からも宇治へ向かう形が現実的です。
旧京都飛行場の跡地などに工業地帯が広がるのが久御山町です。車同士で会うなら、大津南部の石山ICや瀬田東ICで京滋バイパスを降りた先の、瀬田か石山の近くまで来てもらうと、迷わずに合流できます。
曳山の秋と湖の夏、二人の時間を重ねる大津の一年
秋は大津祭の宵宮と本祭
大津祭は京町三丁目にある天孫神社の例祭で、例年10月のスポーツの日の前々日の土曜に宵宮、前日の日曜に本祭が行われます。江戸時代に作られた13基の曳山が町を巡り、20数か所でからくり人形の演技「所望」が披露されます。湖国三大祭の一つで、国からは重要無形民俗文化財の指定も受けています。
宵宮の夜は曳山に明かりが灯るので、何度か会って打ち解けてきた相手と、夕方から町なかを歩く予定に向いています。宵宮と本祭の週末はスポーツの日から逆算して決まるため、誘う前にカレンダーでその年の10月の祝日を探せば日付が分かります。からくりの演技は町のあちこちで行われるので、曳山の後をついて歩くか、ひとつの辻で巡ってくるのを待つか、相談しながら回る楽しみもあります。
夏の花火と、春の山王祭や疏水の桜
びわ湖大花火大会は、例年8月上旬に大津港沖で打ち上げられます。湖岸は大勢の人で混み合うので、付き合いが少し進んでから、帰りの駅をあらかじめ相談しておく使い方が合っています。8月上旬のどの日になるかは、年によって違います。
春なら、日吉大社の山王祭が例年4月に行われ、中心の神事は12日から14日にかけてです。初対面で坂本を歩いた相手と、祭りの時期にもう一度同じ町を訪ねると、前回とは違う坂本の顔が見られます。琵琶湖疏水の夜桜も、春の夜に二人で出かける先の候補です。
冬の高原と対岸の菜の花
冬のびわ湖バレイは、都市近郊の高原リゾートとしてスキー場になり、山上にはびわ湖テラスがあります。湖の向こうの守山市にある第1なぎさ公園では、寒咲花菜が例年1月から2月に咲き、雪をかぶった比良山系を背にした景色で知られています。大津側から見上げていた山を対岸から眺める一日は、付き合いが続いている二人ならではの楽しみ方です。
二人で遠出するなら湖西線の北へ
おごと温泉には約10軒の旅館やホテルがあり、関係が深まった先の遠出の候補として覚えておくとよい場所です。さらに北の近江舞子には、白砂青松100選に選ばれた雄松崎の浜があります。松林と白い砂の浜は、湖西線沿いに住む二人が少し足を延ばして眺めに行く先になります。
大津で恋活を始める一歩は、メールアドレスを送り、審査の結果がメールで届くのを待つことです。