商店街と大学のある駅前と、八尾の町の素地
市役所に近い近鉄大阪線の近鉄八尾駅の周りには、大型の商業施設が二つ並び、ペントモール、ファミリーロード、北本町中央通り商店街が続きます。そのうち旧西武八尾店の跡に建つLINOASは2017年の開業で、駅前の顔ぶれは比較的新しいものです。
駅前でもう一つ目に入るのが、大阪経済法科大学の八尾駅前キャンパスです。旧百貨店の跡地に2012年に開かれた12階建ての校舎で、大学の本部にあたる花岡キャンパスは楽音寺にあります。学部は経済・経営・法・国際の4つです。
鉄道はさらに細かく分かれます。JR大和路線には久宝寺・八尾・志紀の3駅があり、久宝寺ではおおさか東線とも接続します。近鉄大阪線の駅は久宝寺口、近鉄八尾、河内山本、高安、恩智の5つ。河内山本で分かれる信貴線は、ケーブルの乗り場がある信貴山口まで延びています。谷町線は若林町の八尾南駅が終点です。1980年に開業した駅で、近鉄バスも発着し、近くには八尾車庫、八尾空港、陸上自衛隊八尾駐屯地があります。八尾空港は定期旅客便のない、小型機やヘリコプターの拠点です。
市内を流れる川は大和川、恩智川、玉串川、長瀬川、楠根川。気候は地形の条件から温暖とされ、東の山側と西の平地とで、同じ市内でも景色の印象がはっきり変わります。
道路では国道25号、大阪外環状線(国道170号)、近畿自動車道の八尾ICが市内を通ります。山側の史跡や奈良県側の町へ向かう日は、電車より車のほうが動ける場面もあります。
産業の面では、歯ブラシの生産地として知られるものづくりの町です。農業でも若ごぼう、紅タデ、恩智いちご、八尾えだまめが特産に挙がります。
八尾駅は近鉄とJRに一つずつあり、商店街や市役所に近いのは近鉄のほうなので、約束の駅は「近鉄八尾」か「JR八尾」かまで言い添えておきましょう。
府営の緑地と古墳、玉串川の並木で過ごす昼間
八尾で出会いを求めるなら、最初の日は日の高いうちに駅で落ち合い、そのまま歩ける場所へ移る組み立てが合っています。下の表には、昼間に歩ける場所の最寄り駅と、規模や史跡指定の年を載せました。
| 場所 | 最寄りの駅・所在地 | 数字で見ると |
|---|---|---|
| 久宝寺緑地 | JR久宝寺駅、近鉄久宝寺口駅、JR新加美駅 | 面積約38.4ha |
| 玉串川の桜並木 | 近鉄河内山本駅 | 並木の長さは約4km |
| 心合寺山古墳 | 近鉄河内山本駅、信貴線服部川駅(バスもあり) | 全長約160mの前方後円墳、1966年に国の史跡 |
| 由義寺跡 | 八尾市東弓削 | 塔の基壇は一辺約20m、2018年に国の史跡 |
近鉄八尾駅で落ち合う日
改札を出た先にある駅前の大型商業施設の入口は、初めて会う相手にも分かりやすい待ち合わせ場所です。晴れていれば駅の周りの商店街を昼のうちに歩けます。食事まで一緒にする日も、駅前の商業施設の中で店を選べば、帰りの電車にすぐ乗れます。
三つの市区にまたがる久宝寺緑地
久宝寺緑地は八尾市、東大阪市、大阪市平野区にまたがる府営公園で、1971年に開園しました。大阪の四大緑地の一つに数えられ、季節営業のプール、野球場、各種の広場、シャクヤク園があります。広場がいくつもあるので、歩く場所を決めずに入っても過ごし方に困りません。最寄りのどの駅からも約1.2km離れているので、待ち合わせの時刻は、駅から歩く時間を足して決めておきます。
河内山本駅から玉串川沿いへ
河内山本駅の一帯は、昭和初期に住友による住宅地の分譲で開けた地区です。駅の周辺では、地域の住民が植えた桜が玉串川沿いに並木をつくっています。駅で落ち合ってそのまま川沿いへ向かえるのも、初対面の日には助かる点です。同じ駅は心合寺山古墳の最寄り駅の一つでもあり、並木と古墳を一日でつなぐ歩き方もできます。
出土品の展示がある心合寺山古墳
心合寺山古墳(しおんじやまこふん)は八尾市大竹にある前方後円墳です。隣の八尾市立しおんじやま古墳学習館では出土品が展示されていて、先に展示を見てから墳丘のまわりを歩く順番にすると、一日の流れが組みやすくなります。駅から歩く距離を短くしたい日は、路線バスも使えます。
東部の山すそに残る千塚と山城の跡
市の東部には、高安古墳群(千塚)や、古代の山城である高安城の跡があります。高安城が置かれた高安山は標高487.5mで、飛鳥時代には大和と河内を結ぶ要衝でした。古墳学習館で展示を見た日なら、話の続きに名前を出せる山の史跡です。
塔の基壇が見つかった由義寺跡
東弓削の由義寺跡は、弓削氏の氏寺とされ、道鏡や称徳天皇とのかかわりが深い寺の跡です。2017年に塔の基壇が見つかり、七重塔の跡ではないかとみられています。同じ時代の由義宮は、今も遺構が判明していません。発掘で姿が分かってきた寺跡なので、整った見学施設を当てにせず、史跡そのものを見に行くつもりで訪ねる場所です。
催しに合わせて会うプリズムホールとウィング
催しを目当てに会う日なら、八尾市文化会館プリズムホールや八尾市立総合体育館ウィングといった市の主要施設があります。観たい催しが見つかれば、その日程がそのまま誘う口実になります。文化会館と体育館とでは開かれる催しの種類が違うので、相手の好みに合うほうを選べます。
若ごぼうの春、えだまめの夏、河内音頭の秋
何度か会ううちに、八尾の旬の野菜が次の予定を決める手がかりになります。八尾若ごぼうは根も茎も葉もまるごと食べられる野菜で、旬は2月上旬から4月上旬。地元では春を告げる野菜として親しまれています。
夏は八尾えだまめの季節です。市内の約100軒の農家が育てていて、旬の6月から8月には市内の直売所などで採れたてが売られます。付き合いが続いてきたら、直売所で買ったえだまめを二人で料理する休日も、この町らしい過ごし方です。
秋の大きな行事が八尾河内音頭まつりです。1978年に市制30周年を記念して始まった祭りで、河内音頭のグランプリや大盆踊りがあり、地元では秋の恒例行事になっています。近年は本町と光町の二か所が会場で、光町側は近鉄八尾駅前広場です。例年秋の開催ですが、9月だった年も10月だった年もあるため、夏が終わるころに今年の開催日と会場を調べて早めに声をかけるのが確実です。駅前広場が会場になる年に当日会う約束をするなら、落ち合う地点は広場そのものを避けて決めておくほうが、人波の中で連絡を取り合う手間が減ります。
祭りの外でも河内音頭にふれられる寺があります。境内に流し節正調河内音頭発祥の地の石碑が立つ常光寺で、そこで行われる流し節正調河内音頭は「日本の音風景100選」に選ばれています。谷町線の終点の八尾南駅でも、河内音頭のメロディが流れます。
もう少し遠くへ出かけるなら、東の山の上にある信貴山の朝護孫子寺があります。所在地は奈良県平群町ですが、八尾からは近鉄信貴線で信貴山口へ行き、1930年開業の約1.3kmの西信貴ケーブルで高安山駅、そこから近鉄バスで信貴山門へと、市内の路線を起点に上がれます。寅年寅月寅日寅の刻に聖徳太子が毘沙門天に出会ったという寺伝を持ち、「信貴山の毘沙門さん」として知られる寺で、国宝の信貴山縁起絵巻を所蔵し、大きな張り子の寅や本堂下の戒壇巡りがあります。電車、ケーブル、バスと乗り継いで上る行程なので、出発を午前のうちにすれば、山上で時間を気にせず過ごせます。
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山向こうの奈良の町と、大和川沿いに続く町
八尾市が境を接する市町には、大阪市、東大阪市、松原市のほか、府内の柏原市と藤井寺市、奈良県の平群町と三郷町があります。奈良県の二つの町とは生駒山地の山中が境で、その間を越える鉄道はありません。王寺町、斑鳩町、上牧町、太子町は八尾市と接していませんが、JR大和路線やバス、車でつながっています。奈良側から来る相手と会うときに覚えておきたいのは、山の南を回り込んで走る大和路線と、その途中にある王寺駅です。
大和路線沿いの町と、王寺からバスで入る上牧町
志紀駅の隣、約1.7km先が柏原駅で、反対側の約2.6km先がJR八尾駅です。南東で八尾市と接する柏原市には、西名阪自動車道の柏原ICがあります。大和路線で一駅の近さなので、柏原の相手とは志紀駅で落ち合い、駅の近くの弓削神社まで歩くのも一つの形です。近鉄大阪線の近くに暮らす相手なら、恩智や高安まで一本で来られます。
大和川を南の境とし、信貴山の東南麓に広がるのが三郷町です。町内の龍田古道・亀の瀬は2020年に日本遺産に認定され、奈良学園大学もあります。八尾市とは山の上で接しているだけで、ふだんの行き来は大和路線が頼りです。三郷で出会いを探す人のうち、JR三郷駅を使う相手とは、同じ大和路線で二人の間にある柏原駅で落ち合えます。生駒線の信貴山下駅や勢野北口駅が最寄りなら、生駒線と大和路線が出合う王寺駅を使います。
さらに奈良寄りの王寺町は八尾市と接していないものの、JR大和路線の王寺駅があり、町内には明神山もあります。町のマスコット「雪丸」は聖徳太子の愛犬がモデルで、2013年に公認されました。王寺に住む相手とは、八尾から同じ大和路線で出向けば、相手の地元で会う日をつくれます。
法隆寺駅のある斑鳩町からも、王寺と柏原を通って八尾まで大和路線がつながっています。町には竜田川沿いに紅葉で知られる県立竜田公園があります。初めて会う日は二人の間にある王寺駅で落ち合い、紅葉の季節に二度目を斑鳩で、と分けて考えることもできます。
上牧町には鉄道駅がなく、奈良交通のバスが町と王寺駅や五位堂駅を結んでいます。馬見丘陵のほぼ中央にあり、1960年代からの西大和ニュータウン開発で住宅が増えた町です。待ち合わせ場所には、町のバスが発着する王寺駅がそのまま使えます。
信貴山をはさんで東側の平群町
平群町とは高安山や信貴山の山中で境を接していて、両側を結ぶ鉄道はありません。町内には国の史跡の烏土塚古墳や長屋王墓があります。会うなら、先に挙げた朝護孫子寺を目的地にする方法があり、八尾からはケーブル経由で、奈良側からはバスで上がるため、山上の寺がちょうど二人の間に来ます。食事だけの日など、ふだん会うときは、有料の信貴生駒スカイラインか国道168号を車で通って山を越えるのが現実的です。
南に接する藤井寺市と、その先の太子町
南側で八尾市と接する藤井寺市は、面積8.89km²の小さな市で、天皇陵とされる岡ミサンザイ古墳があります。八尾と直接結ぶ鉄道はなく、電車なら近鉄南大阪線の道明寺駅から道明寺線で柏原駅へ出て、JR大和路線で隣の志紀駅へ向かいます。この経路では、道明寺と柏原での二回の乗り換えがどちらも相手側にかかります。車を使える日なら、八尾市内を通る大阪外環状線(国道170号)で動くこともできます。
生駒・金剛山地の西麓にある太子町は八尾市と接しておらず、町内に鉄道駅もありません。最寄りは羽曳野市にある近鉄南大阪線の上ノ太子駅で、八尾まで電車で来るには道明寺と柏原で乗り継ぐことになります。太子町の相手とは、車を出せる日に会う予定を組むほうが無理がありません。町には「上之太子」と呼ばれる叡福寺があり、聖徳太子の墓所とされています。八尾市内にも聖徳太子ゆかりの大聖勝軍寺(太子堂)があり、朝護孫子寺や法隆寺を含め、太子にまつわる寺がこの一帯に点在しています。