境川の手前に広がる、丘の上のベッドタウン
東京都の本州部分の南の端に位置するのが町田市です。市域の大半は多摩丘陵の上にあり、平らな土地は南西の端を流れる境川、中央を流れる鶴見川とその支流の恩田川の沿いに限られます。その境川をはさんで、市は神奈川県の相模原市と大和市に向き合っています。
丘陵と多摩川にさえぎられているため、立川など多摩の北部とのつながりは意外なほど薄く、結び付きが強いのは八王子や横浜市北部、川崎市西部、そして境川の向こう側です。横浜・川崎・相模原という三つの政令指定都市と接し、国の業務核都市という位置づけも相模原市と共同で受けています。市境を接するのは、都内では八王子市と多摩市、神奈川県側では川崎市麻生区、横浜市の青葉区・緑区・瀬谷区、相模原市の中央区・緑区・南区、そして大和市です。知り合った相手が神奈川県に住んでいても、ふだん使う街が重なっていることは十分ありえます。
四つの路線と五つの地域
市内の駅は路線ごとに散らばっています。JR横浜線は町田・成瀬・相原、小田急小田原線は町田・玉川学園前・鶴川、東急田園都市線はつくし野・すずかけ台・南町田グランベリーパーク、京王相模原線は多摩境です。小田急で町田の次の駅は相模大野で、そこから江ノ島線が分かれます。市は町田・南・鶴川・忠生・堺の五つの地域に分けられ、南は鶴間や金森、成瀬などを含む旧南村、堺は相原と小山からなる旧堺村、鶴川は旧鶴川村がもとになっています。地域の呼び名と駅名は一致しないことがあり、たとえば南地域に含まれる鶴間は、南町田グランベリーパーク駅のある一帯です。相手が住まいを地域名で答えたときは、最寄り駅も聞くと位置がはっきりします。
中心は乗り換え客の多い町田駅です。JRと小田急の駅は歩いて5分ほど離れていて、そのあいだを1980年から結んでいるペデストリアンデッキは乗り換え客と買い物客で人通りが絶えません。市は駅周辺の再整備にあわせて、このデッキの全面的な作り直しに向けた調査も進めています。駅の周りの原町田には百貨店やファッションビル、飲食店が集まり、神奈川県北部まで含めた多摩南部の商業の中心になっています。若者向けの店が集まることから「西の渋谷」と呼ばれる場合もあり、古くからの商店街と新しい店が入り混じった独特の空気があります。
町田で出会いを探すとき、待ち合わせの目安になりやすいのはJRと小田急の両方が着くこの駅です。ただ、田園都市線や京王相模原線の沿線に住む人は、町田駅に出るまでに一度は乗り換えが要ります。
学生の多い駅前と、少し離れた里山
23区の南西30kmから40kmの圏内にあたり、1960年代の初めから団地の建設が進んだ町田は、小田急で都心へ出やすいベッドタウンとして育ちました。新宿までは小田急線で30分から40分ほどです。それでも市内のあちこちで農業が続き、町田駅から1、2kmの地区にも緑が残ります。北西の小山田・小野路や西の相原・大戸には里山と畑が広がり、上小山田町から小野路町・野津田町にかけての北部丘陵は、開発を抑えて自然と農業を守る区域です。市域の中ほどには七国山、西の端には草戸山(標高364m)があります。
町田駅前の繁華街は、周りに学校が多いことから、学生を中心とした若者の街に変わりつつあります。市内に校地を置く大学は、桜美林大学、国士舘大学、昭和薬科大学、玉川大学、東京家政学院大学、法政大学、和光大学と数が多く、バブル期のあとには23区から移ってきた私立大学もあります。
1980年に架かったデッキと原町田の表通り
マッチングアプリを通じて話が弾んだ相手と初めて顔を合わせるなら、人通りの多い駅まわりと昼の公園にしぼると迷いません。駅のデッキ、表通り、少し足を延ばした公園と、会う段階ごとに使い分けられる場所が市内にそろっています。
| 場所 | 行き方の目安 | 会う段階と過ごし方 |
|---|---|---|
| 町田駅のペデストリアンデッキ | JR町田駅と小田急町田駅の改札のあいだ | 初回の待ち合わせ。どちらの線で来ても場所を伝えやすい |
| 原町田の表通り | 町田駅の周辺 | 昼のお茶や買い物 |
| 南町田グランベリーパーク駅前と鶴間公園 | 東急田園都市線の駅前 | 公園の散歩。映画館もある |
| 薬師池公園と町田リス園 | リス園は町田駅北口からバスで約20分 | 付き合い始めのころ。池の散歩のあとにリス園へ |
| 武相荘 | 小田急鶴川駅から徒歩約15分 | 落ち着いて話せる日に。月曜休館(祝日は開館)、季節の休館もある |
人の流れが途切れないデッキは、目印としては分かりやすい反面、立ち止まって話し込むには落ち着きません。顔を合わせたら表通りへ降り、店は表通りに面したところを前もって選んで、駅から裏通りへ入りこまずに着ける道順にします。初めて歩く相手にとっても、そのほうが安心です。
平らな土地が川沿いに限られる町田では、公園や史跡へ向かう道が丘を上り下りすることが少なくありません。誘う時点で行き先が丘の上だと分かれば、相手も坂を歩く支度をして来られます。
田園都市線沿いに住む相手なら、町田駅まで出てきてもらわなくても、同じ線の南町田グランベリーパーク駅で会えます。駅名は2019年10月に南町田駅から改められ、翌月の11月13日には駅と商業施設、市立の鶴間公園をまとめて整えた街びらきが行われました。駅を出てすぐ公園と屋内の両方がそろうので、天気に合わせて過ごし方を変えられます。
薬師池公園へ向かうバスは町田駅と鶴川駅の両方から出ているので、横浜線沿いの相手とは町田駅で、小田急の新宿寄りに住む相手とは鶴川駅で合流してから乗ると、どちらも遠回りをせずに済みます。
薬師池公園とは鎌倉街道をはさんだ向かい側にあるリス園は、1988年に開園し、いまはNPOが運営している施設で、約200匹のタイワンリスが放し飼いになった広場ではヒマワリの種をあげることもできます。黙っていても話題が向こうからやってくるような場所なので、二度目に会う日の緊張をほぐすのに向いています。
小田急の上り下り、京王、横浜線でつながる八つの市町
ここで挙げる市町は、どれも町田市と境を接してはいない、少し離れた土地です。そのぶん、どの線とどの線がつながるかで会う駅が決まります。
小田急で新百合ヶ丘、登戸の方面へ
新宿方面へ向かう小田急小田原線の先、多摩川の北岸にあるのが狛江市です。和泉の地には鎮守として伊豆美神社がまつられ、埋め立てられた清水川の跡は岩戸川緑道として整えられています。町田と狛江はこの一本の線でつながっているので、あいだの新百合ヶ丘駅で降りれば、どちらも乗り換えずに顔を合わせられます。
国立市の名前は、中央線の国分寺駅と立川駅のあいだに新しい駅ができたとき、両方の駅名から一字ずつ取って付けられたものです。国立で出会いがほしいときは、JR南武線と小田急が交わる登戸を会う駅にすると、谷保や矢川の近くに住む相手は南武線に乗ったまま、町田側は小田急一本で着きます。
小田原方面へ下る先は本厚木と海老名
逆に小田原方面へ下った本厚木駅は、愛川町の人がよく使う駅です。町の中央を中津川が流れ、町内に伝わる三増の獅子舞は、1976年から神奈川県の無形民俗文化財です。町田からは小田急に乗ったまま行けるため、愛川で出会いを探すなら本厚木を待ち合わせ場所にすると話がまとまります。
高座豚の産地として知られる綾瀬市には、北部に海老名駅まで歩いて行ける地域があります。小田急で一本の海老名を選べば、町田からも迷わず向かえます。
寒川で出会いの輪を広げたいときも、海老名駅が待ち合わせに使えます。相手はJR相模線を北へ、町田側は小田急を下るだけです。寒川町は花の栽培、とくにスイートピーづくりが盛んで、町内の倉見神社には1741年に建てられた旧・寒川神社本殿が残っています。
京王相模原線とモノレールで多摩センターの先へ
南山と呼ばれる稲城市の多摩丘陵には、タヌキやオオタカが暮らす里山が残ります。多摩ニュータウン側の向陽台は、1995年度の都市景観100選で地区大賞を受けた街並みです。稲城方面で出会いを見つけたいときの待ち合わせには、京王多摩センター駅を使う手があります。町田市北西の多摩境駅と、稲城駅・京王よみうりランド駅とのあいだに位置する京王相模原線の駅です。
東大和市は東京狭山茶や多摩湖梨の産地で、市の西部を多摩都市モノレールが南北に走っています。町田まで延ばす計画はあるものの、2022年にルートが選ばれた段階で開業の年は示されていないため、いまの町田側は多摩センターでモノレールに乗り換え、東大和側は桜街道駅などからモノレール一本で南へ下れます。会う駅を高幡不動にすれば京王線も通っているので、帰りの道筋も選べます。
横浜線の終点、八王子から先へ
JR横浜線を終点の八王子まで乗ると、八高線で拝島・東福生の方面へ続きます。福生市では拝島の崖線の下に湧く水が緑の帯をつくり、例年6月中旬の土曜日には、ほたる公園で育てたホタルを放つ福生ほたる祭が開かれます。祭の日取りは年ごとに違うため、出かける前にその年の開催日を調べておきます。会う駅を八王子にしておけば、町田側は横浜線、東福生の近くに住む相手は八高線と、どちらも一本で着きます。
福王寺溜池、白洲家の旧宅、鎌倉街道をめぐる日
野津田町の薬師池は、1590年に福王寺溜池として完成したため池です。いまは約14haの薬師池公園の中心にあり、たいこ橋や国の重要文化財の旧永井家住宅、旧荻野家住宅が残ります。1982年に新東京百景、2007年に日本の歴史公園100選に選ばれ、1998年には東京都の名勝にも指定されました。花は例年、2月から3月に梅、4月に桜、4月下旬から5月に藤、5月下旬から6月に花菖蒲、6月にあじさい、7月から8月には大賀ハスへと移り変わります。ハスの季節は暑さが厳しいので、日差しの強い昼どきを避けて訪ねると、ふたりとも池のまわりをゆっくり歩けます。
公園の周りは町田薬師池公園四季彩の杜と呼ばれる九つのエリアの集まりで、町田ダリア園や町田えびね苑、町田ぼたん園のように花の時期だけ開園する園もあります。2020年4月には、その一角に西園が開園しました。
春の大きな行事は町田さくらまつりで、例年3月下旬から4月初旬にかけて開かれ、10万人規模の人出があります。恩田川の岸辺にはおよそ2kmのソメイヨシノ並木が続き、多摩丘陵の尾根に沿った数キロの尾根緑道では、早咲きから遅咲きまでの桜と菜の花のあいだにキッチンカーや出店が並びます。開催の日取りは毎年発表されるため、その年の告知を見てから予定を組むのが確実です。
能ヶ谷にある武相荘は、白洲次郎と白洲正子が暮らした家で、2001年10月から記念館として公開され、翌2002年には市の史跡に指定されました。名前は、近くを通っていた武蔵と相模の国境に「無愛想」をかけたもので、県境をまたいで付き合うふたりにはどこか身近に感じられる由来かもしれません。
北部の本町田から小野路にかけては鎌倉街道上道が通り、どちらも鎌倉時代から宿場の役目を果たしてきました。町田宿・井出の沢から小野路宿のあいだには古道や宿場の町並みが一部残っていて、里山を歩く日の道筋になります。体力に自信があるふたりなら、秋の涼しい時期に西端の草戸山まで足を延ばす日を組むのもいいでしょう。
町田市をホームタウンとするFC町田ゼルビアは、2023年10月22日にクラブとして初めてのJ1昇格を決め、そのシーズンにはJ2で初めての優勝も果たしました。ホームの試合を一緒に観に行くと、地元の話題を共有する時間が自然に増えます。競技場のある野津田公園は薬師池公園と同じ野津田町にあり、池のまわりを歩いた日に観戦を組み合わせる計画も考えられます。
町田駅のまわりで誰かと会ってみたくなったら、申し込みはページ下の欄から始められます。