五つの地区と通勤の流れで読む港区
区内は芝、麻布、赤坂、高輪、芝浦港南の五つの地区に分けられ、地区ごとに総合支所があります。東側は東京湾に面し、お台場の北部にあたる台場地区もこの区に含まれます。大使館が多く集まる区でもあります。湾岸のオフィスと大学が並ぶ港南、水辺の台場と、公園や商店街のある麻布、緑地の広がる白金台とでは、休みの日に足を向ける場所がまるで違います。
平日の駅と休日の街
区内にはJR山手線をはじめ、東京メトロの各線、都営浅草線・三田線・大江戸線、ゆりかもめ、東京モノレールが通っています。新橋駅ではJRの山手線・京浜東北線・東海道線・横須賀線に、銀座線と浅草線が加わり、ゆりかもめはここが始発駅です。1872年に横浜との間で日本の鉄道が開業したときの起点も新橋で、その駅は汐留側にありました。汐留口の側は企業の本社が集まる再開発地区で、品川、浜松町、新橋、汐留と続く一帯は平日の顔が強い場所といえます。
南の港南には高輪ゲートウェイ駅があります。山手線と京浜東北線の駅で、田町駅と品川駅の間に位置し、2020年3月14日に暫定開業しました。2025年3月27日には周辺の街(TAKANAWA GATEWAY CITY)の第1期開業とあわせて全面開業し、ゲートウェイパークという公園も同じ日に開業しています。
麻布十番は性格が反対です。2000年に南北線と大江戸線の麻布十番駅ができて電車で行きやすくなった街で、麻布十番商店街を中心に下町の雰囲気が残っています。下町の通りの空気を味わうなら、相手の好みが少し分かってきた二度目以降に回したい街です。
大学のある三田、白金台、港南
慶應義塾大学の本部と三田キャンパスは三田二丁目にあり、最寄りは田町駅と三田駅です。大学が三田へ移ったのは1871年のことで、薬学部が使う芝共立キャンパスも港区内です。白金台一丁目には明治学院大学の白金キャンパスがあり、白金台・白金高輪・高輪台の各駅から歩いて7分ほどです。1863年に横浜で始まったヘボン塾を起源とする大学で、キャンパス内のインブリー館は国の重要文化財です。港南四丁目の東京海洋大学品川キャンパスは、2003年に東京商船大学と東京水産大学が統合してできた大学のキャンパスで、品川駅と天王洲アイル駅から徒歩15分ほどの距離です。
三田、白金台、港南のキャンパスに通う相手や、その近くで働く相手なら、大学の最寄り駅から一本で行ける場所を初回の候補に挙げると、移動の相談がすぐにまとまります。
町名で見当をつける
芝公園四丁目には増上寺と東京タワー、海岸一丁目には旧芝離宮恩賜庭園と竹芝桟橋、南麻布には有栖川宮記念公園、白金台には自然教育園と明治学院大学、港南にはオフィスビルと東京海洋大学があります。
港区の出会いでは、こうした町名の土地勘が初回の候補選びにそのまま役立ちます。相手が南麻布や白金台を口にすれば緑地を、海岸一丁目や台場を口にすれば水辺を、という具合に、話の流れの中で行き先の案を出せるからです。
増上寺の境内と湾岸の遊歩道、最初に会う場所
| 場所 | 使う駅と距離 | 合う時間 |
|---|---|---|
| 芝公園・増上寺 | 御成門駅、芝公園駅、大門駅、JR浜松町駅 | 晴れた日の昼 |
| 旧芝離宮恩賜庭園 | JR浜松町駅北口から徒歩約1分 | 平日の夕方前の短い時間 |
| 竹芝桟橋 | ゆりかもめ竹芝駅のすぐそば、浜松町駅から徒歩約8分 | 夕方 |
| 有栖川宮記念公園 | 日比谷線広尾駅から徒歩3分 | 休日の午前から昼 |
| 国立科学博物館附属自然教育園 | 白金台駅から徒歩7分 | 晴れた日の昼 |
| レインボープロムナード、お台場海浜公園 | ゆりかもめお台場海浜公園駅・台場駅 | 天気の良い日の夕方 |
表の場所は大きく三つにまとまります。浜松町駅を中心に芝公園、旧芝離宮、竹芝が歩ける範囲に集まる一帯、南麻布と白金台の緑の多い一帯、そして芝浦から台場にかけての湾岸です。相手の通勤路に近いまとまりを選ぶと、初回の移動が短く済みます。集合場所は、乗り入れる路線の多い駅の改札より、旧芝離宮なら庭園の入口、湾岸なら竹芝桟橋というように、表の場所そのものにしてしまうほうが行き違いが起きません。
芝公園は1873年10月19日に公園として指定された、東京でも古い公園の一つです。増上寺を囲むように広がり、もみじ谷や池があります。増上寺は浄土宗の大本山で、徳川将軍家の菩提寺として将軍6人の墓所が置かれています。1622年に建てられた二重門の三解脱門は国の重要文化財で、門の前を待ち合わせ場所にすれば、境内から公園の池のほうへ自然に歩き出せます。1958年12月23日に竣工した全高333mの東京タワーも同じ公園の区域に建つため、寺と塔と池を一度の散歩で回れます。表のとおり最寄り駅が四つあり、相手の使う路線から降車駅を決められるのも、この一帯の使いやすさです。
旧芝離宮恩賜庭園は、池のまわりを歩いて巡る回遊式の庭園です。江戸時代の元禄期に老中大久保忠朝の屋敷の庭として造られたと伝わり、1924年4月に一般に公開されました。駅から近く、一時間ほどで切り上げたい初回にも組み込めます。そこから海側へ歩くと竹芝桟橋があり、東海汽船の伊豆諸島航路や小笠原海運の小笠原航路の船が出入りします。
南麻布の有栖川宮記念公園は1934年11月に開園した区立公園で、池と渓流のある起伏の多い地形が特徴です。坂の上り下りがあるので、底の平らな靴で来てほしいと前の晩に伝えておけば、相手も安心して園内を回れます。園内には都立中央図書館があり、待ち合わせより早く着いたときの居場所にもなります。
白金台の自然教育園は約20haの緑地で、1949年に国の天然記念物と史跡に指定され、同じ年に一般公開されました。広い緑地の中を時間をかけて歩けるので、ゆっくり話をしたい二人に向いています。
水辺で過ごすなら、1993年8月26日に開通したレインボーブリッジが芝浦と台場を結んでいます。2層構造の吊り橋で、上層は首都高11号台場線、下層にはレインボープロムナードという遊歩道があり、歩いて渡れます。下層の中央を走るのは、1995年11月1日に新橋と有明の間で開業したゆりかもめです。行きは歩いて帰りは電車、という組み合わせもでき、台場側のお台場海浜公園には人工の砂浜があります。台場という地名は、ペリー来航後の1853年から翌年にかけて築かれた品川台場から来ています。
天気の読み方も場所選びの一部です。風の強い日や雨の日は橋の上を歩く計画を見送り、夏の暑い時間帯は芝公園や有栖川宮記念公園のような木陰のある場所か屋内に予定を寄せれば、二人とも余力を残したまま次の行き先へ移れます。寒い季節は屋外を歩く時間を短めに見積もり、次に入る屋内の行き先を先に決めておくくらいの配分が合います。
納涼まつりの夏といちょう並木の秋、二人の予定を重ねる
麻布十番納涼まつりは麻布十番商店街振興組合が主催する夏祭りで、1966年に始まりました。2012年以降は例年8月下旬の土日2日間に開かれています。2020年、2021年、2022年の三年間は開かれず、2023年に4年ぶりに開催されたので、行く年の開催予定は商店街の告知を見てから約束を入れます。夏まで待たずに、普段の麻布十番商店街を昼間に二人で歩く日を先に入れておくと、祭りに誘う流れも作りやすくなります。
秋は北青山にかかる神宮外苑のいちょう並木です。約300mの並木に4列のイチョウが並び、例年11月中旬ごろから色づき始め、11月下旬から12月初旬には一面が黄金色になります。色づき具合は年によって前後するので、11月に入ったら二人で色づきの様子を見ながら日を決めるのが現実的です。芝公園のもみじ谷も紅葉の時期の散歩先になり、増上寺で初めて会った相手となら、同じ場所を季節を変えて歩くことになります。
二度目の行き先は、初回と違うまとまりから選ぶと予定に変化がつきます。湾岸で会った相手なら次は南麻布や白金台の緑地へ、庭園で会った相手なら次は夕方の水辺へ、という順番です。高輪ゲートウェイ駅まわりの街に開業したゲートウェイパークも、二度目に歩く先の候補に入ります。
竹芝の北側にあるウォーターズ竹芝には、浅草・豊洲・お台場方面へ向かう水上バスの乗り場があります。初回に旧芝離宮を歩いた相手と、次は船で川や湾を渡ってみる、という組み立ては浜松町の近くならではです。運航日や時刻は、乗る日の案内を前もって確かめてから誘います。
三度目以降は、表のまとまりをまたいでみるのも手です。浜松町で待ち合わせて庭園を歩き、竹芝からゆりかもめで台場へ渡り、帰りはレインボープロムナードを歩いて芝浦側へ戻る。一日の中で庭園と海の両方を見られるのは、湾岸と緑地を一つの区に抱える港区だからこそです。
付き合いが長くなってからは、品川駅も頼りになります。2003年に開業した東海道新幹線の駅があり、京急本線も発着するので、新幹線で帰省する相手や京急沿線から通う相手とは、品川を共通の拠点にすると週末の予定を組み直す手間が減ります。帰省の前後に駅の近くで短く会うだけでも、離れて過ごす週末が続く時期の間を埋められます。
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中央区、渋谷区、品川区、新宿区との境目で会う
港区は中央区、渋谷区、品川区、新宿区などと接しています。相手が区境の向こうに住んでいるなら、境目に近い駅を一つ、二人の定番にしてしまうのが手早い方法です。どちらにとっても自分の区から大きく離れずに済むので、会う回数を重ねても負担がたまりにくくなります。
銀座線と浅草線で東の中央区へ
新橋駅を起点にすると、銀座線なら銀座・日本橋方面、都営浅草線なら東銀座・日本橋方面へ乗り換えなしで行けます。中央区は銀座や日本橋の商業地とオフィス街を抱える区で、そこで働く相手とは新橋駅の汐留口側で落ち合い、汐留から歩いて行ける浜離宮恩賜庭園まで足を延ばす流れが組めます。
渋谷区とは表参道駅で
渋谷区は港区の西に位置しています。表参道駅の所在地は港区北青山三丁目で、表参道と青山通り(国道246号)が交わる地点にあり、渋谷区神宮前の側に近い駅です。銀座線・半蔵門線・千代田線が使えるため、渋谷区側に住む相手とも、この駅の改札を目印にすれば話がまとまります。改札が混み合う時間帯なら、地上の交差点の角を指定するだけでも場所は通じます。
新宿区と分け合う神宮外苑
明治神宮外苑は新宿区霞ヶ丘町と港区北青山にまたがっています。最寄りは青山一丁目駅、外苑前駅、信濃町駅の三つです。相手には家から乗り換えの少ない駅を選んでもらい、自分は別の駅から歩いて向かえば、外苑の中で無理なく合流できます。秋の約束なら、北青山側のいちょう並木の入口を集合の目当てにすれば、そのまま散歩に移れます。
山手線で南の品川区へ
品川区とは区の南側で接しています。山手線で南へ向かえば、大崎・五反田方面の品川区の駅へ乗り換えなしで続きます。白金台の自然教育園は目黒駅からも徒歩9分なので、目黒駅を普段使う相手とは、駅で待ち合わせてから歩いて向かう方法もあります。湾岸に目を移すと、お台場の埋立地は港区・品川区・江東区に分かれているので、品川区側の湾岸に住む相手となら、ゆりかもめの台場駅のあたりを落ち合う場所の目安にできます。