ターミナルと住宅街が近い渋谷区の生活圏
渋谷駅にはJR東日本、京王電鉄、東急電鉄、東京メトロの4社が乗り入れ、JR以外の路線はどれもこの駅を起点か終点にしています。区の外に住む人にとっても、乗り換えなしでたどり着ける入口になりやすい駅です。そのぶん駅前だけを見て区全体を想像すると、実際の暮らしとずれが出ます。
今ではターミナルとして知られる渋谷駅も、開業した明治の頃は田園の広がる郊外の駅にすぎませんでした。恵比寿駅に至っては、ビールを出荷するための貨物駅として始まっています。区そのものは渋谷町・千駄ヶ谷町・代々幡町の三つの町が合わさって生まれ、名前を決める際には、千駄ヶ谷町と代々幡町が明治神宮の所在地として知られた代々木から「代々木区」を推し、渋谷町は「渋谷区」を譲りませんでした。渋谷・千駄ヶ谷・幡ヶ谷の三つの谷に明治神宮の「宮」をかけた「宮区」という折衷案まで出たといいます。
区内を走る鉄道と、改札を出る駅
JRで来る相手でも、埼京線と湘南新宿ラインは渋谷のほかに恵比寿にも停まるため、渋谷駅で降りずに恵比寿で会う段取りが組めます。地下鉄なら千代田線と副都心線が明治神宮前で重なり、どちらの沿線から来る人も代々木公園の近くで落ち合えます。小田急小田原線は区の西寄りを走り、参宮橋や代々木八幡にも停まるので、約束の駅を渋谷駅以外に散らすことができます。ただし、JR山手線の代々木駅と千代田線の代々木公園駅は名前が似ていても別の駅です。待ち合わせを「代々木」の一言で済ませると、片方は山手線の駅、もう片方は千代田線の駅で待つという食い違いも起こります。
神宮前、代官山、恵比寿の昼の顔
原宿と表参道は住所でいえば神宮前にあたり、港区の青山エリアと続くファッションの街として知られています。竹下通りには若い女性向けの店が集まり、観光客の姿も目立つ一方、一本入った路地には住宅と店、美容院が入り混じっています。初めて原宿で会うなら、観光客でにぎわう通りの真ん中より、路地に近い側で待ち合わせるほうが相手を見つけやすいはずです。
代官山は旧山手通り沿いに飲食店が並び、服のセレクトショップなども集まる落ち着いたエリアで、住宅街としての顔も持っています。通りを歩いて昼食の店を選べるため、予約をしない昼の約束とも相性のよい街です。恵比寿は近年オフィスビルが増え、日中は会社員で通りがにぎわいます。平日の仕事帰りに会うなら恵比寿、休日の昼に街を歩くなら神宮前や代官山、と曜日で場所を分けて考えられるのが渋谷区らしいところです。
松濤、代々木上原と甲州街道沿いの北側
渋谷駅から歩ける距離に、邸宅の多い松濤があります。区立の松濤美術館もこの一角です。代々木上原も住宅街で、とくに駅の北側、大山町のあたりには大きな家が並びます。どちらも駅前に人があふれる街ではないので、渋谷駅の喧騒が苦手な相手と会うときの拠点にできます。
区の北部、初台・本町・幡ヶ谷・笹塚は渋谷の中心から離れており、甲州街道と京王線の沿線にあるため、昔から新宿と結びついてきた地域です。幡ヶ谷と笹塚は商店街やアパートが多く、渋谷区の中では肩ひじ張らない暮らしの街といえます。初台と本町は西新宿に接していて、オフィスビルが目立ちます。代々木・千駄ヶ谷も新宿駅と甲州街道の南側に広がる一帯で、駅のまわりは店とオフィスが集まっています。
つまり「渋谷区に住んでいる」と聞いても、ふだん使う駅が渋谷とは限りません。笹塚や初台に住む相手なら、生活の中心は新宿寄りということも十分に考えられます。渋谷の出会いでは、ふだん乗り降りする駅を早めに聞き合うことが、約束の場所を絞る近道になります。
大学では、青山学院大学の青山キャンパスが、名前に青山と付いていても渋谷区渋谷四丁目にあり、國學院大學は東四丁目に渋谷キャンパスを構えています。
区境の駅で落ち合う、周りの区に住む相手と
渋谷区は東を港区、北を新宿区と中野区、西を杉並区と世田谷区、南を目黒区と品川区に囲まれています。相手が区の外に住んでいる場合も、境目の近くに使いやすい駅があります。
東の港区と南の目黒区
渋谷駅の南から流れ出る渋谷川は、天現寺橋より下流で古川と名前を変え、港区の中を流れていきます。港区側で暮らす相手と会うなら、日比谷線の広尾駅が目印になります。駅そのものは港区にありますが、駅名は渋谷区の地名である広尾から採られていて、二つの区のつながりを感じさせる駅です。
南側で接する目黒区に住む相手とは、恵比寿駅を約束の場所にするのが自然です。所在地は渋谷区恵比寿南で、JRと日比谷線がここで乗り換えられるため、相手がどちらの線で来ても迷わせません。
北の新宿区と中野区
JR新宿駅は新宿区新宿3丁目にありますが、構内の一部は渋谷区代々木にかかっています。新宿区で働いている相手とは、この駅でも甲州街道より南の側を待ち合わせ場所にすれば、渋谷区の中で顔を合わせられます。
都営大江戸線は、西新宿五丁目駅と中野坂上駅の間で渋谷区本町三丁目の地下を通っています。中野区に住む人とは、本町と同じ幡ヶ谷地域に入る京王新線の幡ヶ谷駅で落ち合う案もあります。
西の杉並区と世田谷区
杉並区とは区の西側で接しています。京王線と京王新線が通る笹塚駅は渋谷区の西の端に近く、杉並区側に住む相手と会うときには、境目に近いこの駅が待ち合わせ場所になります。
小田急小田原線と東京メトロ千代田線が乗り入れる代々木上原駅(渋谷区西原)は、世田谷区側の相手と会うときの候補です。一部の列車はこの駅を介して両線を直通しています。
明治神宮の森から渋谷川の遊歩道へ、初回に歩ける場所
初めて会う日は、人の流れが落ち着いた昼の時間帯に、歩きながら話せる場所を選ぶと気が楽です。
| 場所 | 入口や目印 | 合う時間帯 |
|---|---|---|
| 明治神宮 | 代々木神園町、原宿口 | 午前から昼過ぎ |
| 代々木公園 | 原宿駅・代々木公園駅・明治神宮前駅・代々木八幡駅に接する | 昼から夕方 |
| 渋谷川沿いの遊歩道 | 渋谷駅の南、国道246号を越えて代官山方面へ | 昼から日没前 |
| 宮下公園(屋上) | JR山手線と明治通りの間 | 昼 |
| 松濤美術館 | 松濤二丁目 | 雨の日、暑い日 |
明治神宮と代々木公園
明治天皇と昭憲皇太后をまつる明治神宮の神域はおよそ73ヘクタールあり、江戸時代の初めは肥後藩主加藤家の別邸、のちに彦根藩主井伊家の下屋敷だった土地です。参道の木陰は夏の暑い日でも歩きやすく、境内には明治神宮ミュージアムもあるので、散歩の途中で屋内に入れます。
代々木公園は中央広場が公園の約3分の1を占め、中央の池には噴水が三つあります。夜になると噴水がライトアップされるため、昼に会って夕方まで話が続いたときも、明るさの変化を楽しみながら歩けます。千代田線の相手なら代々木公園駅、小田急線なら代々木八幡駅、山手線なら原宿駅と、来る線ごとに入口を選び分ければ、広い園内で探し合う手間が省けます。
ケヤキ並木の表参道
表参道はケヤキ並木の続く大通りで、ブランドの店が並び、周辺は港区の南青山・北青山に接しています。並木の下を歩くだけでも間が持つので、カフェを決めずに会っても、手持ち無沙汰になりにくい道です。
渋谷川の遊歩道と屋上の公園
渋谷ストリームは、東急東横線のかつての地上ホームと線路の跡地に建てられた細長い施設です。開発に合わせて渋谷川と川沿いの遊歩道が整えられ、再生水を流すことで川の流れがよみがえりました。施設の側からは稲荷橋広場が見えます。ハチ公が息を引き取ったのは、この稲荷橋の近くの路地で、初対面の会話にひとつ添えられる話です。
駅の北側にあるMIYASHITA PARKでは、区立宮下公園が地上約17m、4階ほどの高さの屋上に移されていて、街の音から少し離れて過ごせます。下の3層は商業施設なので、屋上で話したあとに屋内へ移るのも簡単です。明るいうちに立ち寄り、景色を眺めながら次の行き先を相談する、という短い使い方に向いた公園です。
天気が崩れた日の松濤
松濤美術館は白井晟一研究所の設計で、紅みを帯びた花崗岩の外壁と、建物の中央にある噴水が目を引く区立の美術館です。同じ松濤には戸栗美術館もあります。どちらも渋谷駅から歩ける一角にあるため、駅の近くで顔を合わせてから静かな方へ移る流れも作れます。展示の内容次第で開館日や時間が動くので、行く日が決まったら館の案内を見直してください。梅雨どきや真夏の午後は、外を歩く時間を短くして館内で過ごすくらいが、初回にはちょうどよい長さです。
よさこいの夏と例祭の秋、二人で通う渋谷区の行事
二度、三度と会うようになったら、区内の行事を会う日の目安にする方法もあります。
原宿表参道元氣祭スーパーよさこいは、例年8月の最終土曜と日曜の2日間に開かれ、明治神宮や原宿口、代々木公園、表参道などが会場になります。会場の一つである表参道で待ち合わせ、代々木公園まで歩いていけば、一日で複数の会場をのぞけます。開催日はその年の発表を見てから決めましょう。
11月は、代々木公園と明治神宮の行事が重なる月です。例年11月には、区民の祭り「ふるさと渋谷フェスティバル」が代々木公園イベント広場などで行われます。区民の祭りなので、地元で暮らす相手にとってはなじみのある催しかもしれず、誘い方も気負わずに済みます。明治神宮の例祭は、明治天皇の誕生日にあたる毎年11月3日で、この日に合わせて参拝すれば、同じ森を夏とは違う空気の中で歩けます。
行事のない週末の代々木公園も、二回目以降なら過ごし方が広がります。園内のサイクリングセンターでは自転車を借りられ、サイクリングコースを走れます。ドッグランは小型犬用とそれ以外に分かれていて、利用には事前の検査と登録が要るため、犬を連れて会うなら先に手続きを済ませておきましょう。
区の北部では「北渋」の名で地域を盛り上げようとする動きがあり、秋に「北渋フェスティバル」やランニングを楽しむ「北渋マイル」が開かれたこともあります。笹塚や幡ヶ谷に住む相手となら、渋谷駅のまわりとは違う地元の催しを一緒に探すのも楽しいものです。
代々木上原の近くに住む相手なら、千代田線の代々木公園駅や明治神宮前駅まで一本で来られます。初台・幡ヶ谷・笹塚は同じ京王新線の駅なので、北部に住む者同士なら、その日の予定に合わせて三つの駅を使い分けられます。
会う場所を渋谷駅のまわりに限る必要もありません。神宮前の太田記念美術館や広尾の山種美術館のように、二人で静かに入れる館もあり、相手の好みが分かってきた頃に選べば、行き先選びで外すことも少なくなります。
アプリをきっかけに始まった恋活が、結婚を意識した婚活へ進むかどうかは、季節の行事を何度か一緒に過ごすうちに見えてくるものです。
入会の手続きに使うのはメールアドレスのみで、審査のあと、その宛先へ返事が届きます。