中野駅の北口と西武新宿線の沿線、性格の違う二つの街
区内の鉄道は、JR、東京メトロ、都営地下鉄、西武鉄道の四つが受け持っています。中野駅にはJR中央線の快速と中央・総武線の各駅停車が止まり、東京メトロ東西線はこの駅を終点として、JR中央線の三鷹方面へそのまま乗り入れます。丸ノ内線は新中野と中野坂上、さらに支線沿いの中野新橋と中野富士見町に止まり、都営大江戸線は中野坂上・東中野・新江古田の三駅を通ります。区の北部には西武新宿線が走り、新井薬師前・沼袋・野方・都立家政・鷺ノ宮の五駅が並んでいます。
中野通りで東西に分かれる北口
中野駅の北口を出ると、中野通りを境に街の性格が分かれます。通りの東側はアーケードのある中野サンモール商店街で、その奥に中野ブロードウェイが続きます。西側は、警察大学校などの跡地を再開発して2012年に街開きした「中野四季の都市」です。約16.8 haにオフィスビルと大学、公園が集まり、2024年5月には中野区役所の新しい庁舎もこの一角(中野4丁目)で業務を始めました。
四季の都市には2012年から2014年にかけて、明治大学と帝京平成大学の中野キャンパス、早稲田大学の施設が開かれ、区内には東京工芸大学やこども教育宝仙大学の拠点もあります。平日の北口は、キャンパスへ向かう学生とオフィスへ通う社会人が同じ改札を行き交う場所です。
駅のまわりは、いまも姿を変えている途中です。北口のそばに建つ中野サンプラザは2023年7月に閉館し、跡地の再開発は計画が見直されました。いまの建物は再利用せずに建て替える方針で、解体と建設の着手は2030年度、3000から5000人規模の新しいホールを含む施設の完成は2034年度が目標とされています。駅の周辺でも再整備が続いていて、南口の駅前広場は2028年度、北口側の新しい駅前広場は2029年度の完成を目指す計画です。初めて会う日の目印は、工事で動くことのある囲いや案内板ではなく、北口や南口といった改札そのものにしておくと、当日に探し合わずに済みます。
商店街と川のある北部の住宅地
北へ向かうと景色ががらりと変わります。新井、野方、江古田、鷺宮といった町は住宅地が中心です。区内を流れる川は、妙正寺川と江古田川、神田川、善福寺川の四つです。1927年に開業した野方駅は線路の南北両側に商店街があり、ほかの駅前にも日々の買い物に使われる商店街が見られます。中井から野方にかけての区間では、西武新宿線の線路を地下に移す計画も進められています。
西武新宿線は中野駅を通らないので、北部に住む人にとって中野駅は電車一本で出られる場所ではありません。中野で出会いを探すときは、駅前のにぎわいで会うのか、北部の公園や商店街で会うのかが、そのままどちらの生活圏に寄せるかの判断になります。
区の南側も事情は似ています。丸ノ内線の新中野、中野坂上、中野新橋、中野富士見町はいずれも中野駅を通らない路線の駅で、この沿線に住む相手にとって身近なのは中野駅より中野坂上です。中野坂上には大江戸線も止まるため、南部の相手と会う駅を考えるときは、中野駅にこだわらずにこの駅を起点にすると話がまとまります。
サンモールのアーケードと北部の緑地、初対面に使える場所
北口から歩いて回れる屋内と広場
天気が読みにくい日に頼れるのは、中野駅北口から続くアーケードです。サンモール商店街を抜けると、そのまま中野ブロードウェイの中へ入ります。二つは別々の建物ですが、天井の高さがそろえてあり、駅から早稲田通りの方向へ一続きに歩けるように造られています。
ブロードウェイは1966年に開業した複合ビルで、地下1階から4階までが店舗、5階から10階までが住宅という構成です。上の階は人の住まいなので、二人で見て回るのは店の並ぶ4階までになります。約300の店舗にはサブカルチャー系の店が多いことで知られ、漫画やアニメ、フィギュアを扱う店のほか、ファッションや飲食の店も入っています。共通の趣味があれば店先で話が広がりますし、趣味が違っても、相手がどの棚の前で足を止めるかで好みが伝わってきます。屋内で人通りもあるため、初対面の緊張をほぐしながら歩くにはちょうどいい広さです。閉店の時刻は店ごとに違うので、夜遅くより昼から夕方にかけて歩くほうが、開いている店を多く見られます。
外の空気を吸いたくなったら、四季の都市の中央にある中野四季の森公園へ移ります。サンモールとブロードウェイは中野通りの東側、公園は西側にあるので、通りを渡れば屋内から屋外へ切り替えられます。約1.5 haの防災公園で、まわりをオフィスと大学の建物が囲んでいます。商店街の混雑から少し離れて、話の続きをする場所として使えます。
中野駅の周りは飲食店も多く、アーケードと公園を歩いたあとで食事やお茶に移る先には困りません。初回は明るいうちに待ち合わせ、食事まで続けるかどうかはその場の雰囲気で決める、くらいの余白を残しておくと、どちらも気が楽です。
沼袋、新井薬師前、新江古田から歩く緑地
北部の沿線には、駅から歩いて行ける広い緑地と古い寺があります。
| 行き先 | 最寄り駅(路線) | 駅からの目安 |
|---|---|---|
| 平和の森公園 | 沼袋駅(西武新宿線) | 徒歩約3分 |
| 梅照院(新井薬師) | 新井薬師前駅(西武新宿線) | 徒歩数分、商店街を通って |
| 江古田の森公園 | 新江古田駅(都営大江戸線) | 徒歩約10分 |
平和の森公園は1985年に開園した約7万平方メートルの公園で、芝生の広場を中心に、2017年から2020年にかけての改修で総合体育館なども整いました。広い芝生は見通しがよく、初めて会う相手とも周りの人の気配を感じながら安心して歩けます。どこまで歩くかは、顔を合わせてから相談しても間に合う広さです。
新井薬師の名で親しまれる梅照院は、1586年の創建とされる真言宗の寺です。目の病の平癒や子育ての御利益で知られ、新井薬師前駅からは商店街「薬師あいロード」が境内へ続いています。沼袋とは隣り合う駅なので、平和の森公園で過ごしたあとに参道の商店街をのぞきに行く、という半日の組み立ても無理なくできます。
江古田の森公園は2007年に開園した約6万平方メートルの公園です。公園のシンボルはハナミズキです。残された雑木林の中を歩けるほか、池と小川のビオトープがあり、1周約1.2 kmのランニングコースが園内を巡っています。このコースは、話しながらゆっくり歩いて一回りするのにも手ごろな長さです。入口へは大江戸線の新江古田駅から歩くのが近く、西武新宿線の沼袋駅からも歩けますが、こちらは20分ほどかかります。それでも沼袋駅を起点にすれば、駅に近い平和の森公園と雑木林の江古田の森公園を、一日のうちに歩いて結ぶことができます。
暑さの厳しい夏の昼間は、見通しのよい芝生の広場より、雑木林の残る江古田の森公園のほうが木陰を選んで歩けます。
新井薬師の縁日と駅前の盆踊り、付き合いを深める中野の暦
最初の一回が駅前で無事に済んだら、二度目からは区内の決まった日付や季節の行事が、彼女探しを先へ進める手がかりになります。
新井薬師では毎月8日・18日・28日が縁日で、境内に露店が並びます。曜日ではなく日付で決まっているので、相手の休みと重なる日を手帳で探すところから、次に会う日の相談が始まります。露店を見て回ったあと、薬師あいロードを駅へ戻りながら店先をのぞくだけでも、気負わない散歩になります。
春は中野通りの桜並木を歩く季節です。中野通りは北の南長崎六丁目交差点から南の笹塚交差点までを結ぶ道の通称で、区の北部、新井地域のあたりでは沿道の桜並木が春の見どころになります。花の時期は例年3月の終わりから4月の初めにかけてで、年によって前後します。中野駅の北口で中野通りに出て、そのまま北へ向かえば新井のあたりの並木に入ります。同じころ、哲学堂公園でも桜が咲きます。
夏になると駅前が華やぎます。例年7月には中野駅の周辺で太鼓を打ち鳴らして踊る沖縄のエイサーを楽しむ催しが開かれてきました(催しの名前や規模は回によって変わることがあります)。例年8月上旬の週末には、中野四季の森公園の一帯で中野駅前大盆踊り大会が開かれ、2024年には12回目を数えました。踊りの曲は民謡だけでなくJ-POPやディスコ曲にも及び、浴衣で出かける夏の約束にも向いています。その夏の盆踊りが8月のどの週末にあたるのかを確かめてから、声をかけましょう。四季の都市の広場では中野にぎわいフェスタも開かれます。
哲学堂公園は、東洋大学を創立した井上円了がつくった「精神修養の公園」です。ソクラテス、カント、孔子、釈迦をまつる四聖堂をはじめ、哲学にちなむ77の場所が、妙正寺川をはさんで南北に広がっています。2009年に東京都の名勝、2020年には国の名勝に指定されました。建物の由来を一つずつ読みながら歩く場所なので、何度か会って互いの考え方に興味が湧いてきた頃に訪ねると、会話が自然と深いところへ進みます。77の場所をすべて回ろうとすると話より移動が中心になるので、四聖堂のほかに気になった建物をいくつか選び、そこで足を止める歩き方が合っています。秋には紅葉も楽しめます。
新井薬師前駅は、梅照院と哲学堂公園のどちらにも歩いて行ける駅です。縁日の露店を見て回ったあとに哲学堂公園まで足を延ばし、静かな園内で話の続きをする順番も組めます。
中野で恋活を始めるきっかけとして、WCMSのフォームから連絡先のメールアドレスを送っておく方法もあります。
池袋や新宿をはさんで会う、埼玉と多摩の三つの市
東京都内に限らず相手を探していると、県境の向こうや多摩地域に住む人とやり取りが始まることもあります。和光市、狛江市、蕨市はいずれも中野区から離れていて、行き来には都心側のターミナル駅をはさむことになります。乗り換えが一回ほどで済む駅を待ち合わせに選ぶのが現実的です。
東武東上線と副都心線で北西へ
埼玉県南部の和光市駅は、東武東上線と東京メトロの電車が行き交う駅です。市の名前は1970年、大和町が市になったときに付けられたもので、「和」と「光」の二字に平和と繁栄、進歩への願いが込められています。市内には自動車メーカーの研究開発拠点もあります。和光に住む相手と会う日は、池袋駅で落ち合う案が出しやすいでしょう。池袋は中野区と境を接する豊島区にあり、中野側から見れば隣の区へ出るだけの距離です。
小田急線で多摩川のほとりへ
小田急小田原線で新宿から20分ほどの狛江市には、狛江駅と和泉多摩川駅の二つの駅があります。例年7月下旬には「狛江古代カップ多摩川いかだレース」が開かれてきました。市の内外から集まった参加者が手作りのいかだで、速さだけでなくデザインやアイデアも競う催しです。狛江まで出会いを広げるなら、待ち合わせは新宿駅で考えるのが自然です。中野側は中央線で東へ出るだけなので、夕方から会う日でも帰りの時間が読める組み合わせになります。
京浜東北線で北の埼玉へ
蕨という地名は古く、その由来は文献に残っていません。藁を焚く火を指す「藁火」から来たとする説と、植物の蕨にちなむとする説が、有力な二つとして伝えられています。蕨に住む相手と会うなら、池袋と新宿のうち二人とも行き慣れている駅を選ぶと、当日の道順で迷う心配が減ります。