三大副都心の池袋と、その外側に並ぶ住宅地の駅
豊島区は周りをすべて東京都のほかの区に囲まれ、北で板橋区と北区、東で文京区、南で新宿区、西で中野区と練馬区に接しています。区の交通や経済、行政の中心は池袋で、新宿・渋谷と並ぶ三大副都心の一つに数えられます。池袋駅は4社8路線が集まるターミナルです。埼玉県の方角へ延びる路線が多く乗り入れているため、通勤や通学、買い物でこの駅を使う埼玉県民も少なくありません。
そのため、池袋で知り合った相手の住まいが区の外にあることもよくあります。相手が埼玉県から池袋へ通っているなら、池袋は毎日のように使う駅です。相手が迷わずに来られ、帰りの電車も方面ごとにそろっているという点で、最初に会う場所としてまず名前が挙がるのはこの駅です。反対に、区内に住む相手でも、最寄りが池袋とは限りません。区の面積は13.01km²で、23区のなかでは18番目の広さですが、その中に次のように多くの路線の駅が散らばっています。
| 路線 | 豊島区内の駅 |
|---|---|
| JR山手線 | 駒込、巣鴨、大塚、池袋、目白 |
| JR埼京線・湘南新宿ライン | 池袋 |
| 東京メトロ丸ノ内線 | 池袋、新大塚 |
| 東京メトロ有楽町線 | 東池袋、池袋、要町、千川 |
| 東京メトロ副都心線 | 雑司が谷、池袋、要町、千川 |
| 東京メトロ南北線 | 駒込 |
| 都営三田線 | 巣鴨、西巣鴨 |
| 西武池袋線 | 池袋、椎名町、東長崎 |
| 東武東上線 | 池袋、北池袋、下板橋 |
| 都営大江戸線 | 落合南長崎(駅の一部が区内) |
表の路線とは別に、西武新宿線の線路も区の中を走っています。ただ、この線の駅は豊島区側には一つもありません。そのため、西武新宿線の沿線に住む相手が区内で会うには、途中で別の線へ乗り換えることになります。
池袋駅は東口と西口で街の構成が分かれています。東口側には豊島区役所や百貨店が、西口側には別の百貨店と劇場、公園が集まっています。東口側には乙女ロードと呼ばれる通りもあり、女性向けのアニメグッズを扱う店が並びます。西口側の西池袋1丁目には、池袋の地名の由来とされる袋の形の池「袋池(丸池)」がありました。今はその近くに元池袋史跡公園が設けられ、「梟の樹」と名づけられたモニュメントに計13羽のフクロウがとまっています。西口で会う日なら、待ち合わせのあとに立ち寄る先として覚えておける目印です。区内では、区立の舞台芸術交流センターも、フクロウの英名owlにちなんだ「あうるすぽっと」の愛称で呼ばれています。舞台を一緒に観る約束をする日には、こちらも行き先の候補に入ります。
同じ山手線の駅どうしでも、街の性格はかなり違います。目白は高級住宅街で文教エリアでもあり、巣鴨は「おばあちゃんの原宿」の呼び名で知られています。池袋の繁華街の印象だけで区全体を思い浮かべると、相手の暮らす街の姿を取り違えてしまいます。
大学が多いのもこの区の特徴です。立教大学の池袋キャンパスは駅の西口方面にあり、目白には学習院大学のほか、川村学園女子大学の目白キャンパスもあります。都電の学習院下という停留場の名前にも、大学の名が見られます。ほかに大正大学、帝京平成大学と東京音楽大学の池袋キャンパスも区内にあります。相手が学生であれば、大学のある駅は本人が毎日歩いている場所です。最初の待ち合わせをその駅にすれば、道案内の手間はかかりません。
有楽町線と副都心線の要町や千川は、区の西側の住宅地にある駅です。豊島区での出会いを社会人どうしで考えるなら、池袋から一、二駅離れたこうした駅は、池袋駅の人混みを避けたい日の待ち合わせ先になります。東武東上線にも、池袋のほかに北池袋と下板橋という区内の駅があります。
芝生の公園や門前町で落ち合う、初対面の日
区内で初めて会う場所は、池袋駅の周りにするか、山手線や都電で少し移った先の静かな街にするかで、大きく二つに分かれます。池袋の駅前は人が多く、相手の姿を探すのに手間取ることもあります。静かな街のほうは、相手が使う路線に合わせて降りる駅を選べるのが利点です。
南池袋公園とGLOBAL RING
南池袋にある区立の南池袋公園は、2009年に一度閉鎖されて整備が行われ、2016年4月2日に全面リニューアルオープンを迎えました。中央の芝生は夏向きと冬向きの品種を交互に育てているので、季節を問わず緑のまま保たれています。園内にはカフェレストランもあり、晴れた日なら芝生を眺めながら話す時間が取れます。
南池袋公園と、2019年に整備された中池袋公園、そして西口側の池袋西口公園は、区の「国際アート・カルチャー都市構想」のもとで順に手が入れられてきた公園です。GLOBAL RINGの愛称がついた池袋西口公園は西口のバスターミナルのそばにあり、2019年11月に新しい姿で再び開かれました。園内には、6本の柱が五重のリングを支えるパーゴラや噴水、カフェ棟、グローバルリング シアターと名づけられた野外劇場が整えられています。舞台はクラシックの野外コンサートにも対応しています。同じ西口側にある東京芸術劇場は、客席数1999のオーケストラを中心としたコンサート専用の大ホールに、中ホール1つと小ホール2つを加えた4つのホールと、展示ギャラリーからなる施設です。演奏会を一緒に聴きに行く日なら、公園で待ち合わせてからホールへ向かう流れがつくれます。西口一帯ではバスターミナルや公園を含む再開発が計画されているので、出かける前に公園の今の様子を調べてから向かうと安心です。
目白と雑司が谷
西池袋に建つ自由学園明日館は、1921年に設立された自由学園の旧校舎で、基本設計をフランク・ロイド・ライトが、実施設計を遠藤新が担いました。1922年6月に中央棟と西教室棟が完成し、1997年5月29日に国の重要文化財となりました。見学に開放されている日があるので、建物を眺めながら歩くだけでも話題には困りません。目白3丁目には、公立学校共済組合の住宅があった跡地に、区が1990年に開いた目白庭園もあります。どちらも大きな声を出さずに過ごせる場所で、二人の会話のテンポをつかむのに向いています。
副都心線の雑司が谷駅の近くには、都電荒川線の都電雑司ヶ谷と鬼子母神前の停留場があり、学習院下はその先です。総面積10ヘクタールの都立雑司ヶ谷霊園には、夏目漱石や泉鏡花、永井荷風、小泉八雲、竹久夢二らが眠っています。区内にはこのほか、慈眼寺や染井霊園もあります。霊園はデートで誘う行き先ではありませんが、雑司が谷を歩くときの位置の目安にはなります。
巣鴨と駒込
巣鴨地蔵通り商店街は、とげぬき地蔵で知られる高岩寺の門前町です。巣鴨駅から都電荒川線の庚申塚停留場まで約800mにわたって店が続き、通り自体はもともと中山道の一部でした。街道だった道を歩くことになるので、歴史の好きな相手とは話が広がります。巣鴨駅には山手線のほか都営三田線も乗り入れているので、三田線の沿線に住む相手とも落ち合えます。毎月4の付く日は縁日で、1月・5月・9月の24日は例大祭にあたります。人出のある日を選ぶか、静かな日に歩くかは、相手の好みを聞いてから決めれば十分です。歩き終えたら庚申塚から都電に乗り、別の停留場で降りることもできます。
駒込は山手線と南北線の駅で、春にはJR駒込駅の土手がツツジでいっぱいになります。花の時期に駒込で待ち合わせれば、駅の土手に咲くツツジを見てから歩き出せます。
大塚で山手線から都電へ
山手線の大塚駅の前には、都電荒川線の大塚駅前停留場があります。相手が山手線で来るなら、大塚で落ち合ってから都電に乗り換えると、ターミナルの人波から離れてゆっくり移動できます。区内の停留場を並び順で見ると、大塚駅前の片側には巣鴨新田、庚申塚、新庚申塚が、反対側には向原などを経て、都電雑司ヶ谷、鬼子母神前、学習院下が続きます。巣鴨の地蔵通りへは庚申塚、雑司が谷の鬼子母神へは鬼子母神前が降りる停留場で、どちらも乗り換えのいらない同じ路線の上にあります。
丸ノ内線の新大塚は名前こそ似ていますが、山手線の大塚とは別の駅で、都電の停留場があるのは大塚のほうです。
和光市や蕨市に住む相手と区内で落ち合う
埼玉県の和光市と蕨市は、豊島区と境を接してはいません。それでも鉄道で行き来できるので、相手の住まいがどちらかの市なら、区内の駅で会う道順を事前に決めておけます。
有楽町線・副都心線と東上線の先にある和光市
有楽町線と副都心線、東武東上線は、どれも和光市駅に乗り入れ、豊島区内も通っています。江戸時代、和光市域には宿場の白子宿が栄えました。白子の周辺は湧水の多い土地で、今でも井戸が残っています。
和光市で出会いを探していて、相手と豊島区で会うことになったら、池袋で降りずに同じ線の別の駅を使う手があります。有楽町線と副都心線なら要町や千川、副都心線なら池袋の先の雑司が谷も同じ線の上です。雑司が谷で降りてもらえば、そのまま鬼子母神のほうへ歩けます。要町や千川を選んだ場合も、帰りは同じ路線で和光市駅へ戻れます。
京浜東北線から田端で乗り継ぐ蕨市
1959年に市制を施行した蕨市は、平均海抜4.8mのおおむね平坦な土地にあります。
豊島区へ来てもらうなら、市の東部にある京浜東北線の蕨駅から田端まで乗り、山手線に乗り換える道順があります。田端の次が駒込で、その先が巣鴨です。乗り換えは一回で、降りる駅がそのまま駒込のツツジの土手や巣鴨の地蔵通りの最寄りになります。
ソメイヨシノの生まれた町と、鬼子母神の秋
ソメイヨシノは、今の駒込から巣鴨にかけての旧染井村で、江戸時代後期に染井の植木屋が交配して生み出したとされる桜です。区の祭事にはすがも染井吉野桜まつりもあり、春の巣鴨は桜の名を冠した行事の舞台になります。交際が続いて春を迎えたら、桜の由来を知ったうえで山手線の一駅ぶんを歩くと、毎年見ている花も少し違って見えます。同じ春には荒川線で都電さくら号も運行されるので、帰り道に路面電車を使えば一日の締めくくりにもなります。
雑司が谷の鬼子母神(法明寺の飛び地の境内にある鬼子母神堂)では、神木とされる大イチョウとケヤキ並木が秋に色づきます。例年10月16日から18日には御会式が行われます。都電には鬼子母神前という停留場があるので、都電に揺られて来て色づいた境内を歩く、秋らしい一日が組めます。紅葉の境内を歩いた日は、雑司が谷から目白の方角へ足を延ばしてもよいでしょう。
区の主な祭事には、夏の大塚阿波おどりや秋のふくろ祭り、長崎獅子舞、冨士元囃子なども挙げられます。秋のふくろ祭りは、御輿と踊りの二つの催しからなる祭りです。祭りに合わせて会う約束をするときは、区が発表する日取りを見てから二人の予定を合わせる順番になります。池袋では2014年からハロウィンのコスプレイベントも開かれてきており、サブカルチャーの街としての一面がうかがえます。漫画やアニメの好きな相手となら、そうした時期の池袋を一緒に歩く日も楽しめます。反対に、人の多い時期の池袋が苦手な相手なら、同じ秋でも鬼子母神の境内や目白庭園のほうが向いています。
関係が深まってくると、行き先の選び方も変わってきます。自由学園明日館は見学のほかに結婚式場やコンサート会場としても使われている建物です。二人の将来の話が出始めたころに改めて訪れると、初めて歩いたときとは別の見方ができるはずです。
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