旧宿場町と副都心、五つの地区が並ぶ区
品川区は1947年、旧品川区と旧荏原区が合併して発足しました。区名のもとになった品川宿は、江戸から数えて最初の宿場です。旧東海道が通る北品川、新馬場、青物横丁のあたりには、いまも寺院が多く残っています。地形は西と東で大きく違い、西側は山の手の台地、東側は東京湾に面した埋立地が広がります。西側の台地にはそれぞれ名前があり、目黒川の北が芝白金台、目黒川と立会川のあいだが目黒台、立会川の南が荏原台です。
区内は旧町の範囲をもとに、五つの地区に分けられています。
- 品川地区は、旧品川宿と天王洲・東品川の埋立地を含むエリア
- 大崎地区は、大崎駅・五反田駅・目黒駅の一帯
- 荏原地区は、下神明・中延・旗の台を中心とする住宅地
- 大井地区は、大井町駅・西大井駅から大森方面へ続くエリア
- 八潮地区は、東京湾側の埋立地にある地区
同じ区でも、地区が変われば駅前の景色も、休日に人が向かう先も変わります。相手の住む地区を聞けば、そこから話が自然に広がっていきます。
平日の夜に会いやすい大崎と五反田、大井町
大崎駅のまわりはもともと工場の多い地域でしたが、1982年に副都心に指定されてから、オフィスビルがペデストリアンデッキで結ばれたビジネス街へ姿を変えました。2002年に埼京線とりんかい線が乗り入れると、駅を使う人は一気に増えています。五反田駅は目黒川の近くにあり、オフィスと商業施設が入り混じる街です。スタートアップ企業が多く集まることから「五反田バレー」とも呼ばれます。社会人どうしの出会いでは、相手の勤め先がこのどちらかなら、仕事帰りの待ち合わせはその駅の周辺で十分に足ります。
大井町駅にはJR京浜東北線、東急大井町線、りんかい線の3路線が乗り入れています。駅の近くには品川区立総合区民会館「きゅりあん」があり、小さな飲食店や居酒屋が寄り集まった一角もあります。2026年3月28日には、駅に直結する複合施設「OIMACHI TRACKS」が開業しました。オフィスや住宅、ホテルのほかに映画館や飲食店、広場まで備えているので、映画を観たあと食事に移るような一日を駅の周りだけで組み立てられます。
住宅地の荏原と、台地の上の城南五山
区域のほとんどは住宅街です。御殿山などの「城南五山」と呼ばれる一帯は山手の高級住宅街として知られ、その一方で、戸越のように商店街とともに暮らす庶民的な住宅地も数多くあります。区内には立正大学や星薬科大学、杉野服飾大学、東京医療保健大学の五反田キャンパス、東京都立産業技術大学院大学などもあります。
区内には延べ40の鉄道駅があり、そのうち大井町駅、五反田駅、目黒駅はターミナル駅になっています。鉄道は南北方向に走る路線が中心です。山手線の南端部が大崎・五反田・目黒を結び、旧東海道沿いには京急本線、西側の住宅地には東急の目黒線・大井町線・池上線、地下には都営浅草線が通っています。臨海部を受け持つのはりんかい線と東京モノレールで、りんかい線は大崎、大井町、品川シーサイド、天王洲アイルの四駅で区内に停まります。京急本線は北品川から新馬場、青物横丁、鮫洲を経て大森海岸まで、旧東海道に寄り添うように駅を連ねます。東急池上線は五反田を起点に大崎広小路、戸越銀座、荏原中延、旗の台と住宅地を抜け、東急目黒線は目黒から不動前、武蔵小山、西小山へと区の西側を進みます。全長10.9kmの池上線のうち、品川区内を走るのは五反田から旗の台までの区間です。荏原地区では、旗の台で池上線と大井町線が、中延で大井町線と浅草線が交わります。目黒駅には山手線と目黒線に加えて地下鉄の南北線と三田線も乗り入れ、西大井駅には横須賀線などの電車が停まります。
東海道線と東海道新幹線も区内を通っていますが、区内に駅はありません。鉄道のほかに、区内では60を超える系統の路線バスが走っています。2022年3月には、コミュニティバス「しなバス」の試験運行が西大井駅前と大森駅前のあいだで始まりました。
運河と埋立地が広がる東側
東へ目を向けると、区の印象は一変します。東京湾に面した埋立地には品川コンテナ埠頭や東京貨物ターミナル駅があり、大規模な産業用地が続いています。そのあいだを京浜運河や天王洲運河などの運河が流れ、京浜運河沿いには緑道公園も整えられています。目黒川を通り、五反田リバーステーションと天王洲アイルの東品川二丁目防災桟橋を結ぶ舟運が運航されたこともあります。住宅地や商店街が集まる西側とは違い、こちら側で人と会う行き先は、天王洲アイルのような再開発された街区が中心になります。区の西と東のどちらに住んでいるかで、相手のふだんの景色はかなり違うものになります。
大井町線を西へ、区の外で会うときの目安
区の西側を走る東急大井町線は、大井町駅を起点に下神明、戸越公園、中延、荏原町、旗の台と区内を抜け、自由が丘と二子玉川を通って溝の口駅に至る12.4kmの路線です。急行の停車駅には、区内の旗の台も含まれます。
狛江市の相手とは二子玉川で落ち合う
狛江市は南を多摩川が流れる市で、品川区とのあいだには世田谷区が広がり、区と市の境が接する場所はありません。街の中心は小田急小田原線の狛江駅にあります。
狛江市に住む相手と会う日は、大井町線の二子玉川駅を待ち合わせに使う方法があります。品川区側からは大井町線に乗ったまま着き、狛江駅の北口からは二子玉川駅へ向かう小田急バスの路線が出ています。バスの時刻表を前日のうちに相手と一緒に見ておけば、当日も落ち着いて動けます。
商店街と運河と庭園跡、初対面の歩き先
マッチングアプリで連絡を取り合ってきた相手と最初に会う日は、駅に近く、歩くだけで話の種が見つかる場所を選んでおくと、沈黙を気にせずに済みます。品川で出会いのきっかけをつかんだら、最初の一回は次のような場所から考えてみてください。
| 歩く場所 | 降りる駅 | 会話の種になるもの | 合う時間帯 |
|---|---|---|---|
| 戸越銀座商店街 | 東急池上線 戸越銀座駅、都営浅草線 戸越駅 | 全長約1.3kmに約400店。関東大震災のあと、銀座で不要になったレンガを譲り受けて道に敷いたことが名前の由来 | 昼から夕方 |
| 武蔵小山商店街パルム | 東急目黒線 武蔵小山駅 | 駅前から約800m続くアーケードに約250店舗 | 雨の日の昼 |
| 天王洲アイル | りんかい線・東京モノレール 天王洲アイル駅 | 運河沿いに総延長約800mのボードウォーク | 日が傾くころ |
| 戸越公園 | 東急大井町線 戸越公園駅から徒歩約6分 | 大名屋敷の回遊式庭園の名残をとどめる池 | 晴れた日の午前 |
| 林試の森公園 | 東急目黒線 不動前駅・武蔵小山駅から徒歩 | 林業試験場が1978年に筑波へ移った跡地。目黒区下目黒と品川区小山台にまたがる | 天気のよい昼 |
| 大井競馬場 | 東京モノレール 大井競馬場前駅から徒歩約2分 | 1986年から続くナイター競馬「トゥインクルレース」 | 夜 |
戸越銀座商店街は、三つの商店街組織がつながってできた長い通りです。端から端まで歩き通すより、気になった店先で足を止めながら進み、疲れる前に引き返すくらいが初対面にはちょうどいい距離感です。
江戸時代初期の寛文年間、戸越公園の一帯は熊本藩主・細川家の下屋敷となり、のちに戸越屋敷として屋敷や庭園が整えられました。表に挙げた戸越公園駅のほか、都営浅草線の戸越駅からも徒歩約13分で着きます。林試の森公園は開園時の広さが約12haあり、木立の中をゆっくり一周するだけでもまとまった時間になります。どちらも最寄り駅まで歩いて戻れるので、一周し終える前に切り上げて帰ることもできます。
天王洲アイルは、京浜運河と天王洲運河に囲まれた約22haの埋立地を再開発した街区です。2010年代からはアートと文化の街を打ち出していて、天王洲銀河劇場や建築倉庫ミュージアムがあります。展示を一緒に見ておけば、そのあと歩きながら感想を言い合うだけで会話が続きます。水辺の広場もあるので、ボードウォークを歩いたあとにひと息つけます。
夜に出かける先なら、「東京シティ競馬」の愛称でも呼ばれる大井競馬場があります。馬券を買うための場所というより、照明に浮かぶ夜のコースと場内の空気を見に行く場所と考えると誘いやすくなります。ただ、初対面でいきなり夜に会うより、昼間に一度会って相手の様子がわかってから提案するほうが自然です。
季節によって向く場所は変わります。梅雨どきや真夏の日中は屋外を長く歩くと疲れやすいので、アーケードのある武蔵小山や、しながわ区民公園の中にあるしながわ水族館のような屋内の行き先を候補に入れておきましょう。空気の澄んだ冬の晴れた日なら、戸越公園や林試の森公園の散歩が気持ちよく感じられます。
表に挙げた場所のほかにも、区内には池田山公園やしながわ中央公園、大井ふ頭中央海浜公園など、性格の違う公園が点在しています。ねむの木の庭は、上皇后美智子さまの生家である正田邸の跡地に整えられた庭です。人の多い商店街が苦手な相手なら、こうした小さな公園を短く歩いてから食事に移る組み立ても考えられます。
天王祭や宿場まつりを、ふたりの予定表に
付き合いを続けていくには、会うための理由がいつも手元にあると楽です。品川区は年間を通じて地域の行事が多く、例年の時期を押さえておくだけで二回目、三回目の誘い方に困りません。
- 1月 東海七福神と荏原七福神をめぐる七福神巡り
- 3月 中延で開かれるなかのぶJAZZフェスティバル
- 4月 五反田駅周辺の五反田桜まつり
- 6月初旬の金曜から日曜 新馬場駅近くで、品川神社の北の天王祭と荏原神社の南の天王祭(かっぱ祭)
- 春と秋 天王洲を会場にしたしながわ運河まつり・花火大会
- 8月 西大井の品川納涼祭、下旬の土日には大井町駅の大井どんたく夏祭り
- 9月 目黒駅周辺のさんま祭り、中旬の中延よさこい祭り、下旬のしながわ宿場まつり(北品川・新馬場・青物横丁)
- 10月 大崎のしながわ夢さん橋、青物横丁の天妙国寺お会式、下旬のえばら観光フェア西小山物語、大井と戸越銀座のハロウィン
- 9月から11月 きゅりあんなどを会場にした品川区民芸術祭
行事は年によって中止や時期の変更もあり得るため、誘う前に区や主催者の案内を確かめてください。運河まつりのように屋外に人が集まる行事の日は、会場の真ん前ではなく少し離れた場所で待ち合わせると合流しやすくなります。
祭りのない時期でも、北品川から青物横丁までの旧東海道は、三回目くらいのデートにちょうどいい散歩道です。寺院が点在し、品川神社や荏原神社にも立ち寄れます。二つの神社はどちらも新馬場駅が最寄りなので、新馬場駅で待ち合わせて歩き始め、青物横丁駅から京急本線で帰る、という一方通行の道順が組めます。宿場町の名残をたどりながら歩けば、初対面の緊張がほどけたあとの会話もゆっくり深まります。大森は大田区の地名ですが、大森貝塚の調査地点は品川区内にありました。幕末には、いまの立会川駅の東側に品川台場の砲台が置かれていました。こうした土地の小さな話題をひとつ持っておくと、散歩の途中で話が広がります。
気軽な恋活として始まった付き合いでも、婚活と呼べる段階まで進めば、ふたりでどの街に暮らすかを本気で考える時期が来ます。武蔵小山駅は2006年の目黒線の工事を経て急行停車駅になり、駅のまわりでは2008年、2019年、2021年に高層マンションが完成しました。昔ながらの商店街と新しい住まいが、同じ駅前に並んでいます。目黒線は目黒駅で山手線と接続しているので、区の西側に暮らしながら都心へ通う生活も思い描きやすい街です。こうした街を休日に歩いてみると、これからの暮らしを具体的に話し合う糸口になります。
住まいが区の東と西に分かれているふたりなら、どちらか一方の地元で毎回会うより、大井町や旗の台、中延のように路線が交わる駅をいつもの拠点に決めておくほうが、付き合いが長くなっても無理が出にくくなります。
品川区で相手を探す一歩を踏み出すなら、画面の下にある欄へ連絡先のアドレスを書いて送信してください。届いた申し込みは一件ずつ目を通し、可否を電子メールで返信します。