本所と向島が合わさってできた川の東の区
墨田区は1947年に旧本所区と旧向島区が一つになって発足しました。区名は、隅田川の堤の通称だった「墨堤」の「墨」と、隅田川の「田」を合わせたものです。面積は13.77km²で、川沿いの古い町並みと再開発された駅前が、狭い範囲の中に並んでいます。
地場産業として知られるのは石鹸の製造や、江戸切子をはじめとする硝子加工です。今も町工場が集まっていて、観光地として名前が出るスカイツリーや国技館とは別に、ものづくりの町という顔を持っています。ガラスや手仕事に関心のある相手となら、江戸切子をきっかけに会話を広げることもできます。
両国、錦糸町、押上、向島の地理と駅
両国は国技館と博物館の街です。JR総武線と都営大江戸線の駅があり、総武線では浅草橋と錦糸町、大江戸線では蔵前と森下が隣の駅にあたります。
区の南部の商業地にあたるのが錦糸町で、JR総武線と東京メトロ半蔵門線が乗り入れています。北口側では再開発によって商業施設やオフィスビル、コンサートホールのすみだトリフォニーホール、タワーマンションが集まりました。
スカイツリーの足もとに広がるのが押上で、東京スカイツリーは2012年5月22日に開業しました。押上駅には半蔵門線、都営浅草線、東武スカイツリーラインなどが乗り入れ、メトロと東武の駅は2003年の開業です。京成の駅は1912年からあり、同じ押上でも駅ごとに歩んできた年月がまるで違います。
向島は墨堤の桜で知られる川沿いの地域で、区名の由来になった墨堤の桜並木を歩けるのもこのあたりです。曳舟駅は1902年4月に開業した古い駅で、東武スカイツリーラインと東武亀戸線が通ります。駅前では再開発が進み、2017年には病院と商業施設がオープンしました。東武線では、曳舟ととうきょうスカイツリー駅が隣どうしで、駅間は1.3kmです。
ここまでに挙げた駅のほかにも、都営新宿線の菊川、都営浅草線の本所吾妻橋、東武亀戸線の小村井、東武スカイツリーラインの東向島といった駅が区内に散らばっていて、駅名を聞いただけでは路線がすぐに浮かばないこともあります。
区内の駅は、JR総武線の通る両国・錦糸町の側と、東武線の押上・曳舟の側に大きく分かれています。庭園と美術館の静けさがある両国側と、川沿いの散歩道とスカイツリーの景色がある押上側とでは、同じ区の中でも会う日の雰囲気ががらりと変わります。墨田での出会いを彼女との付き合いへ育てたいなら、どちらの側で会うかを最初の約束から相手と一緒に決めると、二人の好みの違いも早めに見えてきます。
車で動くなら首都高6号向島線
車で区内を移動する人にとっての軸は、隅田川の東岸を走る首都高速6号向島線です。江戸橋JCTから堀切JCTまでの10.5kmで、1971年に江戸橋から向島まで、1982年に向島から堀切までが開通しました。区内には駒形、向島、堤通の出入口があり、堀切JCTから先は6号三郷線として三郷や常磐道の方面へ続きます。相手を車で迎えに行く約束なら、どの出入口が家に近いかを先に聞いておくと、拾う場所がすぐに決まります。
デザインと情報を学ぶ新しい拠点
区内には、2021年4月に開設された千葉大学の墨田サテライトキャンパスがあり、小村井駅の近くでデザイン系の研究と教育が行われています。2020年4月に開学した情報経営イノベーション専門職大学も、本部の墨田キャンパスを文花に置いています。学生が大勢行き交う大学街ではありませんが、町工場の街に新しい学びの場が加わっている点は、いまの墨田区らしさの一つです。
両国の庭か押上の川べりか、最初の一時間に選ぶ場所
区内で初めて会うときの候補を、最寄り駅と合う時期で整理しました。
| 場所 | 最寄り駅 | 合う時期と時間帯 |
|---|---|---|
| 旧安田庭園 | 両国 | 通年。夕方に閉園するので昼間に |
| すみだ北斎美術館 | 両国 | 雨の日や暑い日の昼間 |
| 江戸東京博物館 | 両国 | 雨の日、腰を据えて見学したい日 |
| 東京ミズマチ | とうきょうスカイツリー | 通年。川沿いを歩くなら晴れた日 |
| 隅田公園 | 浅草、本所吾妻橋 | 桜の季節と、川風の心地よい日 |
| 東京スカイツリーの展望台 | とうきょうスカイツリー、押上 | 晴れて遠くまで見える日 |
| 錦糸公園 | 錦糸町(北口) | 通年の昼間 |
恋活を始めたばかりで、相手とどこまで話が合うかまだ分からない段階なら、表の中でも公園や川沿いから選ぶと気が楽です。出入りの自由な屋外は、会話が続かなければ早めに切り上げられ、弾めばそのまま歩き続けられます。
両国駅のまわりの庭園と二つの館
旧安田庭園は横網一丁目にある潮入り回遊式の庭園で、今は循環浄化装置によって潮入りの景色を再現しています。1922年に安田善次郎家から東京市へ寄贈され、1927年に公開されました。両国駅から歩いて6分ほどの場所です。気軽に立ち寄れる庭園なので、美術館の前後に池のまわりを一周するだけでも、会話の間がうまく埋まります。
両国駅から東へ約400m、亀沢にあるすみだ北斎美術館は2016年11月に開館し、設計は妹島和世です。葛飾北斎はこの亀沢の付近で生まれたとされ、生涯の大半をいまの墨田区あたりで過ごしました。作品の前で感想を言い合えるため、初対面でも話題に困りにくい場所です。
江戸東京博物館は1993年に開館し、改修を経てリニューアルオープンしました。旧安田庭園と同じ横網にあって、両国駅からは歩いて3分ほどです。
両国駅の旧駅舎は、2016年に飲食施設として生まれ変わりました。見学のあとに食事へ移る流れを、駅を離れずに組み立てられるのが両国の強みです。庭園、美術館、博物館の三つはどれも両国駅から歩ける範囲にあるので、最初は一か所だけにして、話が弾んだら二か所目へ足を延ばすくらいの軽さで十分です。
634mの塔と高架下の川沿い
東京スカイツリーの高さは634mで、天望デッキは350m、天望回廊は450mにあり、天望回廊の最高到達点は451.2mです。展望台では景色が主役になり、向かい合って話す時間は思ったより短くなりがちです。初対面なら先に下の川沿いを歩いて互いの話を聞き、展望台は二回目の楽しみに残すのも一つの手です。
川沿いの散歩道として使いやすいのが東京ミズマチです。東武スカイツリーラインの高架下、浅草駅ととうきょうスカイツリー駅の間に2020年6月に開業した施設で、北十間川に面し、隅田公園と隣り合っています。ミズマチで落ち合ってから公園の川沿いへ移れば、話の進み具合に合わせて歩く距離を長くも短くもできます。
隅田公園の敷地は、隅田川の両岸、台東区側と墨田区向島側にまたがっています。園内には桜がおよそ700本あり、日本さくら名所100選のリストにもこの公園の名前があります。八代将軍の時代に植えられたという約1kmの桜並木は、花の季節以外でも、話しながら歩くのにちょうどよい長さです。
錦糸町は北口から公園へ
錦糸町で会うなら、北口に出て公園へ向かう流れにすると落ち着いて過ごせます。錦糸公園は関東大震災からの復興事業として1928年に開園した公園で、面積は約5.6ha。墨田区総合体育館のほか、芝生広場や噴水があります。大横川親水公園も同じ側にあり、水辺に沿って場所を変えることもできます。北口から錦糸公園までは歩いて3分ほどなので、平日の仕事帰りに待ち合わせ、公園を一周して別れるくらいの短い顔合わせにも使えます。
音楽が共通の趣味なら、すみだトリフォニーホールの公演の前に錦糸公園で落ち合い、少し話してから会場へ入る組み立てもできます。
半蔵門線でつなぐ平日の夜
錦糸町と押上は、どちらも東京メトロ半蔵門線の駅です。JRの錦糸町と、東武や京成の集まる押上が一本の線でつながるため、平日に働く社会人どうしなら、仕事帰りに会う場所をこの線の駅に置くと、短い時間でも顔を合わせられます。両国からも、総武線で隣の錦糸町まで出れば半蔵門線に乗り継げるため、区内を行き来する軸としてこの線を使えます。
八潮からの道すじと両国橋の向こう側
北千住で乗り継いで来る八潮市の相手
埼玉県の八潮市は墨田区と接してはおらず、葛飾区と足立区の先に位置しています。1972年に市制を施行した市で、物流施設の多い街でもあります。
八潮に住む相手と会う場合は、つくばエクスプレスで北千住まで出て、東武スカイツリーラインに乗り換えてもらう道順が基本になります。とうきょうスカイツリー駅は2017年4月から、深夜の一部を除いて通る列車がすべて停まる駅になっているので、曳舟で降りてもらっても、スカイツリーの足もとで待ち合わせても構いません。
もう一つは、つくばエクスプレスの浅草駅で降りて、すみだリバーウォーク経由で墨田区側へ入る道です。ただしつくばエクスプレスの浅草駅は、東武線や銀座線、浅草線の浅草駅とは離れた別の駅です。川を渡る前の浅草側で待つのか、渡った先の墨田区側で待つのかは、前日までに二人で決めておきましょう。
両国橋の名前に残る川の東西
両国橋は中央区の東日本橋二丁目と墨田区の両国一丁目を結ぶ橋で、国道14号が通っています。名前の由来は、橋の西側が武蔵国、東側が下総国だったことです。中央区側に住む相手となら、この橋を歩いて渡り、両国駅のあたりで落ち合えます。半蔵門線の沿線に住んでいる人には、押上や錦糸町まで乗り換えなしで来てもらう形も取れます。
梅の百花園、桜の墨堤、九月の国技館
墨田区には、月ごとに足を運ぶきっかけになる庭園や川の行事があります。墨田の出会いを一度きりで終わらせず、婚活として真剣な付き合いを考えるなら、次に会う月をこの暦から選ぶと誘い方が具体的になります。
同じ庭に季節を変えて通う向島百花園
向島百花園は1804年ごろに佐原鞠塢が開いた庭園で、1978年に国の史跡と名勝に指定されました。東武スカイツリーラインの東向島駅から歩いて8分ほどです。例年2月から3月には梅まつり、8月には虫ききの会、9月には萩まつりと月見の会が開かれます。
9月に見頃を迎える萩のトンネルは、長さ約30mあります。冬の終わりに梅を見た相手と、秋にもう一度同じ庭を訪ねると、半年の間に二人の距離がどう変わったかを自然に振り返れます。
墨堤の桜と四月の川のレガッタ
墨堤さくらまつりの会期は、例年なら3月下旬から4月上旬です。見頃は花の開き具合で前後するため、誘う日はその春の開花の知らせを見てから決めるくらいがちょうどいいでしょう。向島には860年創建とされる牛嶋神社や、桜もちで知られる長命寺もあり、花見のあとに参拝を挟むと散歩に区切りがつきます。
例年4月中旬の日曜日には、早稲田大学と慶應義塾大学の対校レース、早慶レガッタが隅田川で行われます。1905年に始まった行事で、川沿いから眺めるだけでも、春の一日の目当てになります。
本場所の月は両国で一日を過ごす
両国国技館は1985年1月場所から使われていて、1月の初場所、5月の夏場所、9月の秋場所がここで開かれます。収容人数は11,098人で、本場所のない時期にはコンサートやボクシングの会場にもなります。相撲観戦を一日の大きな予定にして、その前後を両国駅の周辺で過ごせば、移動の少ない休日になります。会うのが三回目、四回目になったころに向いた過ごし方です。
9月は、秋場所と向島百花園の萩まつりや月見の会が同じ月に重なります。昼の両国で相撲を見る日と、東向島で庭を歩く日を分けておけば、ひと月のうちに性格の違う約束を二つ作れます。
花火大会のある隅田川の夏
夏の隅田川の大きな行事は、7月の隅田川花火大会です。1961年にいったん途絶え、1978年に現在の名称で再開されています。2020年から2022年までの3年間は開催されませんでした。打ち上げ数は例年、二つの会場を合わせて約2万発です。二人の毎年の楽しみにするかどうかは好みが分かれる行事なので、春のうちに一度、相手の考えを尋ねてみる価値があります。
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